現地時間3日、世界卓球選手権がドイツ・デュッセルドルフで行われ、混合ダブルス決勝で吉村真晴(名古屋ダイハツ)&石川佳純(全農)組が優勝した。同種目での日本勢の金メダル獲得は48年ぶり。女子シングルス準決勝では平野美宇(JOCエリートアカデミー)が世界ランキング1位のディン・ニン(中国)に敗れたものの、銅メダルを手にした。男子ダブルスは大島祐哉(木下グループ)&森薗政宗(明治大)組が韓国ペアを破り、決勝進出。丹羽孝希(スヴェンソン)&吉村組は中国ペアに敗れた。

 

 大逆転でのリベンジ達成だ。吉村&石川ペアにとっては2大会連続の決勝。前回の中国・蘇州大会では初の決勝進出を果たすも、ストレート負けを喫していた。対戦相手は違うが雪辱に燃える想いはあったはずだ。

 

 しかし、吉村と石川は台湾ペアに押され、苦しい展開だった。序盤を8-11、8-11で連取された。第3ゲームは11-8で取り返したものの、第4ゲームを接戦の末、10-12で落とした。

 

 後がなくなった吉村と石川だが、準決勝も同じようにゲームカウント1-3から逆転している。決勝でも土壇場から巻き返しを見せた。第5ゲームを11-4、第6ゲームを11-9で取った。これで3-3のタイに、勝負の行方はファイナルゲームへ。

 

 吉村、石川共に強気の姿勢。サーブレシーブ、3球目攻撃と早い段階で勝負を決めに行く。5点を先取し、リードを奪う。その後も着実に得点を重ね、10-3でチャンピオンシップポイントを掴んだ。台湾ペアに2点を返されたが、トドメを刺した。

 

 石川のサーブからスタート。吉村の強烈なバックハンドに相手は返すのがやっと。このチャンスボールを石川がフルスイングで台に叩き込んだ。この瞬間、1969年ドイツ・ミュンヘン大会の長谷川信彦&今野安子以来の日本勢優勝が決まった。石川は目を潤ませながら、吉村と抱き合った。

 

(文/杉浦泰介)