第3回WBCは19日、準決勝でドミニカ共和国代表がオランダ代表を4−1で破り、決勝進出を決めた。20日の決勝はプエルトリコ代表と対戦する。試合はオランダが初回に1点を先制。先発のディエゴマー・マークウェルが好投し、序盤は強力ドミニカ打線を0点に抑える。しかし、ドミニカは5回、ホセ・レイエスの勝ち越し打など5安打を集中して4点をあげ、試合をひっくり返した。
 リリーフ陣の好投も光る(AT&Tパーク)
オランダ代表      1 = 100000000
ドミニカ共和国代表  4 = 00004000×
(オ)●マークウェル−スタウフベルヘン−ボイド−ファンミル
(ド)○ボルケス−ヘレラ−ストロップ−Sロドニー

 序盤は波に乗り切れなかったドミニカが中盤に本領を発揮した。
 立ち上がりは先発エディソン・ボルケスの乱調から始まった。連続四球から1死二、三塁のピンチを招くと、4番ウラディミール・バレンティンの内野ゴロの間に1点を先行される。

 反撃したい打線は左腕マークウェルをなかなか捉えきれない。2回には先頭打者で一塁に歩いたハンリー・ラミレスが飛び出してタッチアウトになるなど、重苦しい空気がベンチを包んだ。

 だが、ドミニカのスタメンは全員がメジャーリーグ経験者。相手投手に疲れが見えてくると、かさにかかって攻め立てる。5回、1死からカルロス・サンタナがこの試合、初の長打となる二塁打でチャンスメイク。モイゼス・シエラも続き、あっさり同点に追いつく。2死後、レイエスがフルカウントから変化球をセンター前へ落とし、勝ち越しに成功した。さらに相手のバッテリーミスと、エドウィン・エンカーナシオンのタイムリーで2点を追加して4−1と突き放す。

 無傷の6連勝で大会を勝ち上がってきたドミニカの強みは安定した投手陣にもある。先発のボルケスは初回こそ失点したが、以降は立ち直り、オランダに追加点を与えない。逆転してからはケルビン・ヘレラ、ペドロ・ストロップ、フェルナンド・ロドニーとメジャー各球団で活躍するセットアッパー、クローザーがきっちり0点に抑え、逃げ切った。

 過去2回とも優勝候補と言われながら、前回は1次ラウンド敗退の苦杯をなめた。決勝で対戦するプエルトリコには1次ラウンド、2次ラウンドでいずれも勝利している。悲願の優勝へ死角はない。