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(写真:中西常務理事の一件で「自身にも責任がある」とし、3カ月間給与を10%カットの処分を科した村井チェアマン)

 Jリーグは27日、都内で理事会を開き、2018年シーズンのJ1・J2昇降格にプレーオフ制度を導入すると発表した。来シーズンからはJ2の3位から6位のチームとJ1の16位のチームによる「J1参入プレーオフ(仮称)」が行われる。また、Jリーグでナンバー3の立場にある中西大介常務理事の退任が発表された。Jリーグ内において不適切な言動(パワーハラスメントおよびセクシャルハラスメント)が認められ、中西常務理事から本日の理事会で辞任の申し出があり、Jリーグは受理した。後任は未定。

 

 現行制度では、J1の下位3クラブが自動降格し、J2の1位、2位が自動昇格、残りの1枠をJ2の3位から6位の4クラブがプレーオフで争うかたちだった。来季からは、J1の16位を含む5クラブでプレーオフが行われる。J1・J2間の入れ替えプレーオフは08年以来の復活だ。

 

 新方式だと1回戦はJ2の3位vs.6位、4位vs.5位が対戦し、勝者が準決勝へ進む。決勝は準決勝の勝者とJ1の16位で行う。細かなレギュレーションは今後、Jリーグの実行委員会、理事会で詰めていく。

 

 Jリーグの村井満チェアマンは今回のルール変更について、こう理由を述べた。

「今、ある意味でJ3がJリーグのセーフティーネットとして、そこ(J3)から下への降格がない。現状、14クラブにU‐23クラブが3クラブ参戦している。将来的にJ3を20チームくらいにして、JFLへの降格も検討している。

 

 J1が18、J2が22、J3が(将来的に)20。昇降格枠で言うと、J1とJ2間が3。仮にJ3が20クラブになると、J2とJ3の間の昇降格枠が2。(現状の規定で)カテゴリー間の機会均等公平性があると言えるかどうか。分析すると落ちにくくて上がりやすいJ2が有利という声が上がった」

 

 ここ7年の昇降格のデータではJ2の3枠目で昇格したクラブのうち、翌年のJ1で最下位となり、J2に“戻った”クラブ数は6。一方、J1の16位で降格したクラブのうち翌年のJ2で優勝し、J1に“戻った”クラブ数は5。新方式は単純に自動昇格、自動降格させるよりも、面白みがあると言える。

 

 J1とJ2では天国と地獄と言っても過言ではない。来季から手に汗握る入れ替え戦が10年ぶりに戻ってくる。

 

(文・写真/大木雄貴)