明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017第1戦の浦和レッズ対ボルシア・ドルトムントが15日、埼玉スタジアムで行われ、2-3で浦和が敗れた。試合は前半24分、右CKからFW興梠慎三のゴールで浦和が先制した。しかし、後半に入ると31分、33分と立て続けにFWエムレ・モルにゴールを奪われた。40分に浦和はDF遠藤航の得点で同点に追いつくが、終了間際にFWアンドレ・シュルレに決勝点を許した。

 

 香川、左肩の怪我の影響で出場せず(埼玉スタジアム)

浦和レッズ 2-3 ボルシア・ドルトムント

【得点】

[浦] 興梠慎三(24分)、遠藤航(85分)

[ド] エムレ・モル(76分、79分)、アンドレ・シュルレ(88分)

 

 浦和の十八番であるポゼッションサッカーを立ち上がりからドルトムントにやられた格好となった。Jリーグでは圧倒的なボール支配をベースに試合を進める浦和。ドルトムントを相手には、そう簡単にいつものスタイルを披露できなかった。

 

 それでも前半の立ち上がりはよく耐えていた。相手にボールを持たれたが、3バックとMF阿部勇樹らが読みを働かせてパスを絡め取った。すると24分、守備陣の奮闘にエースが応えた。MF柏木陽介が右CKからゴール前に絶妙なボールを供給。ゴール中央にポジションを取っていた興梠が右足で合わせてゴールネットを揺らした。

 

 その後もドルトムントにボールを支配されるが、しっかりと中央を締めた浦和。相手の縦パスに反応し、攻撃の芽を摘み続け、無失点で試合を折り返した。

 

 後半に入るとオープンな展開になり、浦和もボールを持てる時間帯が増えてチャンスを作った。13分はMF関根貴大のシュートは惜しくもサイドネット、16分にはMF武藤雄樹のヘディングシュートが相手GKの正面を突いた。この2つの好機をものにできなかったことが、後々に響いた。

 

 今まではウォーミングアップだったのだろうか。エンジンが温まったとばかりに、ドルトムントが立て続けにゴールを奪う。

 

 31分、途中から投入されたモルが右サイドでボールを受ける。MF高木俊幸を置き去りにすると、槙野をひらりとドリブルでかわし、左足のトーキックでシュートを放つ。タイミングを外されたGK西川周作はコロコロと緩やかに転がるボールに触ることさえできなかった。決して強烈ではないが、タイミングを狂わせるシュートにレベルの違いを見せつけられた。33分にはDFマルセル・シュメルツァーの左からの折り返しをモルが左足インサイド合わせた。不運にもブロックに入った槙野に当たり角度が変わったシュートはゴール右に吸い込まれた。

 

 それでも浦和は諦めなかった。40分に高木が左CKをファーサイドに蹴った。ゴール中央でDF那須大亮が敵を引き付ける。「那須さん、触るなと!」と、思いながら走り込んだ遠藤がフリーでヘディング。ゴール右に叩き込み、浦和が何とか同点とした。

 

 しかし、43分。浦和は一瞬の隙を突かれた。右サイドからモルが左足でふわりと左サイドに展開。遠藤がヘッドでクリアしようとしたが、目測を誤り、後方へそらしてしまう。このボールにシュルレに反応され、GKと1対1。左足でゴールニアサイドを突き破られ万事休す。2-3で浦和が敗戦した。

 

試合後、世界規模のクラブを相手にした槙野は、こう語った。

「ボールを持たれるのは想定内。守りからどう攻撃を仕掛けられるか。ここがポイントだった。Jリーグではこういう展開はなかなかない。ドルトムントと対戦するにあたって、腰の引けたプレーはしたくなかった。ミスをしてナンボ。自分たちは失うものは何もない。チャレンジ精神を忘れずに臨めた」

 

 全得点に絡んだモルについて槙野は「速かった。世界と戦う選手です。対戦するにあたって楽しかったですが止めないといけなかった」と振り返った。

 

 Jリーグ中断期間を利用し、世界レベルのクラブと対戦するために実現したワールドチャレンジ。浦和の選手にとって、世界レベルの選手とのマッチアップはいい刺激となっただろう。22日には鹿島アントラーズがスペインリーグのセビージャとホームで対戦する。クラブW杯以外でJリーグの選手たちが世界を肌で体感することができる貴重な機会。この経験が選手にとっても日本サッカー界にとっても大きな財産になることは間違いない。

 

(文/大木雄貴)