「マイナビオールスターゲーム2017」第1戦が14日、ナゴヤドームで行われ、全パが6-2で勝利した。全パの勝利は2014年第2戦以来のこと。試合前に行われたホームランダービーは柳田悠岐(福岡ソフトバンク)が初制覇した。

 

◇第1戦
 内川、勝ち越し打含む2安打でMVP(ナゴヤ)

全パ 6 = 100|000|131
全セ 2 = 000|101|000

(パ) 千賀-菊池-谷元-○山岡-牧田-松井
(セ) バルデス-田口-岡田-又吉-●マテオ-山崎


本塁打 (パ)秋山ソロ、西川2ラン、中田ソロ
    (セ)筒香ソロ

 

 オールスターゲーム第1戦の先発投手は全パが千賀滉大(福岡ソフトバンク)、全セがラウル・バルデス(中日)。千賀は7月8日以来の中5日、バルデスは12日の先発から中1日での登板となった。「キューバやドミニカの頃は先発の後、中1日で長いイニングを投げたことがある。登板間隔も状態もまったく問題ない。ファンのみなさんの期待に応えたいね」と、バルデスは涼しい顔で地元ナゴヤドームのマウンドに上がった。

 

 初回、全パの先頭バッターはチームでも1番を打つ秋山翔吾(埼玉西武)。秋山はバルデスの2球目をとらえてレフトスタンドに運んだ。オールスターゲーム2年ぶり2本目のホームランに秋山は「シーズンではバルデスからは打っていなかったのでまさかホームランが出るとは……。感触はよかったけど、あんなに飛んでくれるとは」と驚いていた。16年ぶりに飛び出したオールスターゲームでの先頭打者ホームランで全パが先制した。

 

 全パの先発・千賀は8日の試合で、5月28日以来となる勝ち星をあげた。故障明けの影響も心配されたが、地元・愛知県出身ということで「知り合いも多く来ているはずなので頑張りたい」と語り、2回を投げて2奪三振、無失点の快投を見せた。リードを保ったまま2番手の菊池雄星(埼玉西武)にマウンドを譲った。

 

 一方、バルデスからバトンを受けた全セの2番手・田口麗斗(巨人)も2イニングを無失点に抑えた。迎えた4回裏、全セの4番・筒香嘉智のバットが快音を放った。レフトスタンドに飛び込む同点ホームラン、打った筒香は「逆方向への一発は今年まだ出ていないのでシーズンに取っておきたかった」と語った。試合を降り出しに戻した全セは5回、6回を岡田明丈(広島)が無得点に抑える好投。2イニング15球と効率のよいピッチングを見せた。

 

 1-1で迎えた6回裏、全パの投手は3番手・谷元圭介(北海道日本ハム)から4番手・山岡泰輔(オリックス)に変わった。1死の後、3番・坂本勇人(巨人)がセンターへのヒットで出塁。続く筒香は三振に倒れたものの坂本が盗塁で二塁へ進んだ。ここで打席に入ったのがアレックス・ゲレーロ(中日)。目下、セ・リーグトップの23本のホームランを放っているゲレーロに、地元ドラゴンズファンは一発を期待した。ナゴヤドームにチャンステーマが響き渡る中、ゲレーロの打球はレフト線に落ちる勝ち越しタイムリーツーベース。全セがこの試合、初めてリードを奪った。

 

 7回表、全セのマウンドには又吉克樹(中日)が上がった。オールスター選出後に「1回パーフェクトを狙う」と語っていた又吉だったが、いきなり先頭の代打・内川聖一(福岡ソフトバンク)にセンター前に運ばれ、続く西川遥輝(北海道日本ハム)にもヒットを打たれてノーアウト一、二塁。松田宣浩(福岡ソフトバンク)をファーストファウルフライ、中田翔(北海道日本ハム)を空振り三振に切ってとり2死。打席には上林誠知(福岡ソフトバンク)に代わってアルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク)が入った。

 

 デスパイネは又吉の初球を思い切り叩き、ライト前へ運んだ。二塁から内川が生還して試合は再び振り出しに戻った。

 

 7回裏、2イニング目となった山岡が全セの攻撃を3人で抑える好投。8回表、全セのマウンドには阪神の守護神、マルコス・マテオが上がった。マテオはルーキーの源田壮亮(埼玉西武)をレフトフライに打ち取り1アウト。続く秋山の打球はピッチャーのマテオのグラブを弾く強襲安打となった。代打・鈴木大地が三振の間に秋山は二塁へと進塁し、2死ながらも打席には内川を迎えた。

 

 カウント2ボール1ストライクからの4球目、マテオのストレートを内川はセンター前に弾き返した。二塁から秋山が俊足を飛ばしてホームイン。3対2と勝ち越し、続く西川はマテオのスライダーを完璧に捉えてライトスタンド上段に運ぶ2ランホームラン。この回、3点を奪い5対3と全セを引き離した。


 8回裏、全パの5番手・牧田和久(埼玉西武)は先頭の大島洋平(中日)にヒットを許すも、セカンドゴロ併殺とピッチャーゴロで3人で終えた。9回表、先頭の中田翔が山崎康晃(横浜DeNA)からバックスクリーンにダメ押しのホームランを放ち、試合を決定付けた。最後は松井裕樹(東北楽天)が3者凡退に抑えてゲームセット。全パが6対2で勝利した。MVPは代打で登場して2安打、勝ち越しタイムリーを放った内川が選ばれた。オールスターゲームの対戦成績は全パの81勝78敗11分け。

 

 全セの緒方孝市監督(広島)と全パ・栗山英樹(北海道日本ハム)の試合後のコメントは以下の通り。
「いつも対戦していてパ・リーグの選手のすごさは身をもって感じている。そのすごい選手たちのおかげで勝つことができた。パ・リーグはなかなか勝っていなかったので勝てて良かった」(栗山)
「これだけの選手が揃ったオールスターなので何点入るかと思っていたがロースコアゲームになった。やはり向こうもリーグを代表する投手だから簡単にはいかない。明日は細かな作戦はないが勝ちたい」(緒方)

 

 オールスターゲーム第2戦は、15日にZOZOマリンスタジアムで行われる(18時プレーボール)。先発は全セが菅野智之(巨人)、全パが則本昂大(東北楽天)と発表されている。