現地時間24日、水泳の世界選手権競泳2日目がハンガリー・ブダペストで行われた。女子200m個人メドレー決勝は初出場の大橋悠依(東洋大)が2分7秒91の日本新記録をマークして2位に入った。銀メダルを獲得し、競泳での日本勢メダル第1号となった。金メダルはカティンカ・ホッスー(ハンガリー)。ホッスーは2分7秒00で3連覇を達成した。その他の日本勢は今井月(豊川高)が2分9秒99で5位だった。

 

 大橋は何度も拳を握りしめた。それだけ会心のレースだったことが窺える。自己ベストどころか日本記録を更新しての銀メダルだ。

 

 予選、準決勝はいずれも8位で通過した。決勝は第8レーン。世界記録保持者で絶対女王のホッスーはセンターの第4レーンからスタートする。失うものはないーー。そう開き直れる状況ではあった。

 

「思い切っていこうと思って、自分のことだけに集中してガムシャラに泳ぎました」

 大橋はスタートから積極的に攻めた。第1泳法のバタフライで3番手につけると、得意の背泳ぎでホッスーに次ぐ2番手に順位を上げた。第3泳法の平泳ぎで粘り、そのままの順位でラストの自由形を迎えた。

 

 身長173cmの長身を生かした伸びのある泳ぎを見せる。大橋のラスト50mは30秒28の好タイム。優勝したホッスーよりも0秒33速く、ファイナリストの中でも最速だった。フィニッシュタイム2分7秒99は従来の日本記録を0秒54更新した。

 

 北島康介、萩野公介を育てた平井伯昌コーチの下で練習を積む東洋大4年生。21歳にして初の世界水泳で見事に結果を残した。得意種目はむしろ400m個人メドレー。大橋は「4個メに向けていい経験。力が付いていることを実感できました」と語った。

 

 最終日に行われる400m個人メドレーについては「前半からぶっ飛ばしていくしかない」と意気込む。日本女子競泳界に誕生したニューヒロインの泳ぎに注目したい。

 

(文/杉浦泰介)