◆後編DSC02461二宮清純: 広島や日本ハムで活躍した金石昭人さんとのお話は、そば焼酎『雲海』のソーダ割り「そばソーダ」を飲みながらまだまだ続きます。
金石昭人 「そばソーダ」は口当たりも良くすいすい飲めますね。いい感じに酔いが回ってきました。まるで自分の家にいるようにリラックスできますね。

 

二宮: いやいや。ここ、金石さんのお店(鉄板焼き・かねいし)ですよ(笑)。
金石 あっ、そうでした(笑)。うちは広島風お好み焼きをメインに、鉄板焼きや韓国料理も出しています。「そばソーダ」はすっきりしていて、どんな食べ物にも合いますね。

 

二宮: 料理の相性を問わないという点では、先発から抑えまで経験した金石さんの野球人生に通じるものがあるのでは?
金石 おお! そう思うと一層「そばソーダ」が好きになりました。チームならぬ食事の場でなくてはならない存在ですね。では、おかわりをお願いします。

 

 

 グラウンドでビールかけ

二宮: 金石さんは広島に入団して7年目、1985年にプロ初勝利をあげました。前回、その頃はなかなか1軍に上がれず「もう腐りかけてました」とおっしゃいましたが、やはり1軍で結果を出すと、その後は野球が面白くなってくるのでは? 

金石 そうですね。勝ち星をあげれば、プロだから当然、給料も上がります。そうするとやり甲斐を感じるようになり、マウンドに上がるのが楽しくなりました。

 

二宮: 優勝の経験は?
金石 入団した79年から数えるとチームは5回優勝していますが、自分が1軍選手だった86年と91年が特に印象深いですね。


二宮: 優勝といえばビールかけですね。
金石 そうですね。ビールかけは優勝したチームの選手にしかできないことなので今も思い出に残ってます。特に91年、山本浩二さんが監督のときは広島市民球場でビールかけをしたんです。

 

二宮: ああ! 覚えていますよ。グラウンドにシートを敷いて、スタンドのファンの前でやりましたね。
金石 お客さんの目の前だし、あれは本当にすごく盛り上がりました。

 

二宮: いい経験ですね。
金石 まあ勝ったら祝い酒、負けても気分を切り替えるために結局は飲んでいましたけど……。

 

二宮: 広島の繁華街で飲んでいると、金石さんは身長が高いので目立ったでしょう。
金石 そうですね。飲んだ後、帰るのにタクシーを使うと行き先なんて言う必要がない。乗っただけで「あ、金石さん。家ですね」「はい、お願いします」って。

 

二宮: それだけ顔を知られていると無茶もできない。
金石 勝っているときは「お、ようやったな」「金石、次も頼むぞ」と声をかけられるんです。

 

二宮: 負けたら?
金石 ヤジもそうですけど、「あんた、はよ帰りんさい」って(笑)。

 

二宮: アハハハ。市民球団の広島らしい話です。
金石 ですね。まあ広島はカープを街全体で応援していますからね。選手もファンも皆が家族のような雰囲気は広島だけです。

 

◆後編DSC02276 日ハム移籍の真相

二宮: 91年オフ、津野浩さんとの交換トレードで日本ハムに移籍しました。金石さんにとって野球人生の転機だったのでは? 

金石 30歳を過ぎて、広島にこのままいても中途半端に終わってしまうかなと思ったので「トレードに出してください」と冗談半分に言ったんです。そうしたら、すぐに話がまとまりました(笑)。

 

二宮: 移籍先の日本ハムでは抑えに転向しました。
金石 日本ハムには抑えがいないというチーム事情があり、さらに移籍2年目の93年、開幕前のパ・リーグトーナメント(福岡ドーム)でピッチャーライナーを受けて骨折したんですよ。それで出遅れて1軍に戻ったときにコーチの高橋一三さんから「抑えをやってくれ」と頼まれました。

 

二宮: その話を聞いたときは?
金石 最初は経験がないから断りました。150キロを超えるストレートがあるわけでもないし、江夏(豊)さんのように修羅場に出ていってポンポンッと三振を取れるタイプでもない。そうしたら高橋さんが「とりあえずやってくれ。2イニング投げてくれればいいから」って。

 

二宮: 昔の抑えは2イニング、3イニングはザラでしたからね。
金石 それまで先発でずっとやってきたから5回までは投げるのが当たり前でした。だから2イニングなんて目をつぶっても投げられる。だから高橋さんに「そういう感覚でいいなら、やりますよ」と。それで抑えに転向しましたが、これがハマったんです。

 

二宮: 金石さんは日ハム移籍1年目に先発で14勝、そして抑えに転向した93年は9勝13セーブと、パ・リーグでさらに成長をとげました。95年には自己最多の25セーブをマークしました。
金石 パ・リーグのバッターはとにかくバットを振ってくるんです。だからスライダー系のボールは必ず手を出してくれた。ストレートとフォークでストライクをとって、最後はボール球のスライダーを投げれば一丁上がり! でしたね。

 

二宮: フォークは日本ハムに移ってから覚えたんですか?
金石 広島で勝ち始めた頃から投げていました。でも日本ハムに入って1回、封印したんです。キャッチャーの田村藤夫さんが「金石、いいストレートだ。これいいボールだよ」と言って、1年目はフォークではなくストレートを多めに使ってくれたんです。

 

二宮: それでストレートに威力が戻ったと?
金石 そうですね。

 

二宮: 197センチの長身からくるストレートとフォーク。バッターは2階からボールがくるような感覚だったでしょうね。
金石 特に近鉄のバッターなんて、みんなプルンプルン振ってくれましたよ。

 

◆後編IMG_9915 抑え投手の魅力

二宮: 抑えの魅力に目覚めたのは? 

金石 調整法も先発とはまるで違いますが、徐々に抑えの方が面白くなってきましたね。最後の方は使い方もきちんと勝ちゲームの1イニングと決めてくれていたので、本当にやりやすかった。94年に18セーブをあげたあたりで年俸も大台(1億円)に乗って、「ようやく一人前のプロ野球選手になったなあ」と思ったもんですよ。

 

二宮: 最終回をピシャリと抑えて、監督と握手をするときの気持ちは?
金石 最高ですね。先発で完投するのも気持ちいいけど、抑えはその試合を「オレが締め括った」という感じがさらに強くて最高に気持ちいいんです。

 

二宮: そういう日のお酒は特においしいでしょう。
金石 めちゃくちゃおいしいですよ。

 

二宮: 逆にサヨナラ負けの夜は?
金石 サイテーの気分です。あっ、そういえば広島時代に、巨人のウォーレン・クロマティに打たれてサヨナラ負けしたことがあります(90年6月2日・対巨人)。

 

二宮: ありましたねえ。確か敬遠のボールを?
金石 「お前がきちんと外さないからじゃ」と達川(光男)さんに怒られましたが、敬遠の練習をしてないから外に大きく外すのは難しいんですよ。

 

二宮: ピッチャーは皆そう言いますね。では、日本でも来季からの導入が囁かれる敬遠申告制は元投手としては賛成ですか?
金石 投げなくていいから助かりますが、野球の面白さという点では興味が削がれるでしょうね。

 

二宮: メジャーリーグでは時短を理由に今季から申告制が導入されました。
金石 それでどれだけ時短になるのか、という話ですよ。それよりもピッチャーが4つボール球を放って、その次のバッターに投じる初球を何にするか。そこにドラマがあるんじゃないでしょうか。

 

二宮: そこをバッターは狙ってきますよね。
金石 当然、狙ってきます。だから敬遠の後の初球、本当に入り方を考えないとダメです。難しい局面なんですよ。そういうのも野球の面白さと思うんですがねえ……。

 

◆後編IMG_9971 イチローに死球

二宮: 金石さんが日本ハムにいた頃、イチロー選手がちょうど売り出し中でした。 

金石 鈴木一朗からイチローになったのが94年ですから、ちょうどぶつかっていますね。

 

二宮: イチロー選手との対戦で思い出は?
金石 グリーンスタジアムの試合で1死一、三塁。そこで打席に立ったイチローにデッドボールを当てたことがあります。

 

二宮: オリックスのホームだから当然、ブーイングでしょう。
金石 イチローブームの絶頂期だから「ブーブー」でしたよ。確か膝の裏に当ててしまって、それでイチローは1週間くらい休んだんじゃないかな。

 

二宮: イチロー選手が休むくらいだから相当のケガですよ。でもそれくらいインサイドを厳しく突かないと、抑えられないという思いがあったんでしょうね。
金石 ゲームの締め括りで出ているストッパーですから、厳しくいくのは当然でした。で、考えたのは「最悪ぶつけたとしても1死満塁。それでゲッツーでもいいな」と……。

 

二宮: 結果は?
金石 願った通りに、次のバッターでゲッツーをとりましたよ。わざと当てたわけではないけど、イチローには今でも言われます。「カネさんにぶつけられた。痛かった」って(笑)。

 

二宮: アハハハ。さて野球の話となると尽きませんが、最後にまたお酒の話を。金石さんにとってお酒とは?
金石 僕にとってはガソリンです。

 

二宮: ガソリン、すなわちエネルギーだと?
金石 そうです。だからこれがないと動けない。ガス欠したくないから毎日飲んでいます(笑)。

 

二宮: 「そばソーダ」も明日への活力になったのでは?
金石 そば焼酎とソーダ、最初は「意外な組み合わせだな」と思いましたが、飲んでみるとすごく合う。すっきりしているし、この組み合わせものすごくいいですね。

 

二宮: 最後に金石さんのお店の名物、広島風お好み焼きの最大のおすすめ商品は?
金石 では、「かねいし焼き」をおすすめします。これはソースではなく醤油味なんですよ。

 

二宮: お好み焼きに醤油、ですか!? あっ、これはうまい! しつこくないのに味がしっかりしていますね。薄皮は上質のピザのような。
金石 そうでしょう! これはお客さんから人気がありますね。そば焼酎とソーダ、お好み焼きと醤油、どちらも意外性がありますがいい組み合わせですね。

 

二宮: では、お好み焼きが来たところで、さらに「そばソーダ」をもう1杯。
金石 ガソリンはまだまだ入りますよ。夜はこれからですね。

(おわり)

 

<金石昭人(かねいし・あきひと)プロフィール>
1960年12月26日、岐阜県出身。PL学園高では控え投手だったが、高3夏にベンチ入り。甲子園優勝を経験した。79年、ドラフト外で広島に入団。197センチの長身から投げ下ろすストレート、フォークを武器に85年に6勝をマークすると、86年に12勝をあげてリーグVに貢献した。92年に日本ハムに移籍し、同年自己最多の14勝。93年以降は日本ハムのクローザーとして活躍。98年に巨人に移籍し、同年限りで引退。329試合に登板し通算72勝61敗80セーブ、防御率3.38。プロ野球解説の他、「かねいし西麻布店」など都内で飲食店を複数経営している。

 

 今回、金石さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。 提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>
かねいし西麻布店
東京都港区西麻布4-11-28 麻布エンパイヤビル1F
TEL: 03-5464-7034
営業時間:ランチタイム/11時30分~14時、ディナー/月~土18時~翌2時(LO 1時) 、祝日18時~23時(LO 22時)
定休日・日曜

 

 

◆後編サインボールDSC02552☆プレゼント☆

金石さんの直筆サインボールを本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「金石昭人さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は8月10日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、金石さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。


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