現地時間30日、水泳の世界選手権競泳最終日がハンガリー・ブダペストで行われた。男子400m個人メドレー決勝は2連覇中の瀬戸大也(ANA)が4分9秒14で3位。同種目での3連覇はならなかった。優勝は200m個人メドレーも制したチェース・カリシュ(アメリカ)。4分5秒90で2位のダビド・べラスト(ハンガリー)に2秒48の差をつける圧勝劇を見せた。リオデジャネイロ五輪同種目金メダリストの萩野公介(ブリヂストン)は4分12秒65で6位だった。男子50m背泳ぎ決勝では古賀淳也(第一三共)が24秒51で2位に入り、銀メダルを獲得した。カミーユ・ラクール(フランス)が24秒35で大会3連覇を達成。3位にはマット・グレイバーズ(アメリカ)が24秒56で入った。

 

 瀬戸の大会3連覇も、萩野の世界水泳初の金メダルはならなかった。行く手を阻んだのは同世代のライバルだった。

 

 入りの50mは萩野がトップ、瀬戸が2番手だったが、カリシュに先頭を譲ると徐々に順位を落としていった。カリシュはそのままハイペースで抜け出し、逃げ切った。リオでは銀メダルの種目での優勝。今大会個人メドレー2冠だ。萩野と瀬戸のライバルは更なる成長を見せている。

 

 一方、リオでダブル表彰台に上がった日本勢。ここで瀬戸が意地を見せる。ラスト50mのターン時点ではカリシュ、べラスト、マックス・リッチフィールドに次ぐ4番手。「隣に負けたらメダルはない」とリッチフィールドと競り合った。

 

 直線の叩き合いを制したのは瀬戸。この種目では3大会連続でのメダルを獲得し、今大会2度目の表彰台に上がった。萩野は6位でフィニッシュ。カリシュには6秒半以上も離され、「勝負になっていない」と厳しい表情だった。

 

「この負けは自分に絶対プラスになる」(瀬戸)

「自分が絶対強くなると信じて頑張りたい」(萩野)

 世界の頂点に立ったことのある2人は、口を揃えて“王座奪還”を誓った。

 

 後のレースでは50m背泳ぎで30歳のベテラン古賀が銀メダルを手にした。「狙っていたので残念」と目標としていた金メダルには届かなかったが、2009年イタリア・ローマ大会以来の表彰台に立った。

 

  これでトビウオジャパンは今大会7個のメダルを手にした。前回のロシア・カザン大会より3個多かったが、金メダルの数はゼロだった。次回の世界水泳は2年後、韓国・光州が舞台だ。

 

(文/杉浦泰介)