現地時間10日、世界陸上競技選手権ロンドン大会7日目が行われた。男子200m決勝は同種目での最年少ファイナリストとなったサニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)が20秒63で7位に入った。優勝はラミル・グリエフ(トルコ)。20秒09で制した。2位には400mの覇者ウェイド・バンニーキルク(南アフリカ)が20秒11で、3位にはジェレーム・リチャーズ(トリニダード・トバゴ)が20秒11で入った。

 

“ボルト超え”もサニブラウンは満足した様子は見られなかった。18歳5カ月の決勝進出は、2005年ヘルシンキ大会のウサイン・ボルト(ジャマイカ)の最年少記録(18歳11カ月)を更新するものだ。しかし、決勝レース後は表情は悔しさに溢れていた。

 

 サニブラウンは予選と準決勝はいずれも2着。着順で突破した。2年前の世界陸上では届かなかったファイナルのスタートラインに立った。サニブラウンは外側の8レーン。序盤は上位を走り、好位置につけていた。だが、最後の直線で伸びなかった。ライバルたちが先頭争いをする中、置き去りにされていく。ゴールしたのは7番目だった。

 

「気にしていたハム(ストリングス)が最後の100できてしまって、あまり押せなかったのが非常に悔しいですね。あそこでもう一段階上げてればメダル争いに食い込めたんじゃないかと」とサニブラウン。フィニッシュ後もしゃがみ込んで悔しさを露わにしていたように、力を出し切れなかったとの思いが強かったのだろう。

 

 それでも03年パリ大会の末續慎吾以来の日本人ファイナリスト。表彰台には届かなかったが、18歳の未来には期待せざるを得ない。9月からフロリダ大に進学。国内ではなくアメリカを拠点にスプリンターとして成長する道を選んだ。サニブラウンの走りに、今後も注目だ。

 

(文/杉浦泰介)