(写真:「最高の準備をしたい」と語るハリルホジッチ監督)
日本サッカー協会は23日、「2018FIFAワールドカップロシア アジア最終予選」のオーストラリア代表(FIFAランキング45位)戦、サウジアラビア代表(同59位)戦のメンバー27人を発表した。故障明けのFW大迫勇也(ケルン)、MF香川真司(ドルトムント)、MF長谷部誠(フランクフルト)、FW本田圭佑(パチューカ)らが招集された。また、MF柴崎岳(ヘタフェ)が約2年ぶり、FW武藤嘉紀(マインツ05)が約1年ぶり、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)が約10カ月ぶりに代表復帰。FW杉本健勇(セレッソ大阪)はA代表初選出となった。
アジア最終予選は残り2戦。オーストラリア戦は埼玉スタジアムで31日、アウェーのサウジアラビア戦は現地時間5日(日本時間6日)に同国ジッダで行われる。
現在、日本は勝ち点17でグループBの首位に立っている。2位が勝ち点16のオーストラリア。サウジアラビアも勝ち点16ながら得失点差の関係で3位につけている。グループ2位以上がW杯出場決定。3位はグループAの3位と対戦に勝利したのち、大陸間プレーオフに回る。日本はオーストラリア戦かサウジアラビア戦のいずれかに勝利すれば2位以内が確定する。
今回は故障明けの選手が多く、日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチは「今まででリストをつくるのが一番難しかった」と頭を悩ませた。
今までワントップを務めてきたFW大迫勇也(ケルン)は所属クラブでの8月1日(日本時間)プレシーズンマッチで右足首靭帯を損傷した。22日にクラブチームの練習に合流したばかりのストライカーを大一番で強行的に招集した。だが、コンディションが万全であるはずがない。そこでチャンスを得たのが今季、Jリーグで14ゴールと好調を維持している杉本だ。指揮官は杉本評を、こう語った。
「ここ2年、ずっとチェックしていた選手。プレーの質も高く(身長187センチと)体格も良い。日本には珍しいタイプ。意欲的にトレーニングを続ければもっと良い選手になる」
また、今季からスペイン1部のヘタフェに移籍した柴崎も代表に復帰した。ハリルホジッチ監督は「岳の復帰は喜ばしい。ここ数試合、興味深いプレーをしている」と期待を寄せる。新天地でもスルーパスを武器にレギュラーの座を確保している。出場すれば敵の急所をえぐるスルーパスでチャンスを演出してくれそうだ。
サウジアラビア戦は高温多湿な過酷な環境でのアウェー戦。日本はホームアドバンテージのあるオーストラリア戦で勝利し、6大会連続6度目のW杯出場を決めたい。自然と指揮官の鼻息も荒くなる。
「重要な戦い。ただのサッカーの試合ではない。他の試合とは違う。愛国心や誇りといったたくさんのものが絡む戦いだ。(W杯予選で一度も勝っていない)オーストラリア相手に歴史に残る勝利を収めたい」
泣いても笑っても残り2戦。サムライブルーの真価が問われる。
【日本代表メンバー】
GK
川島永嗣(FCメス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)
DF
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルガーSV)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)
MF
長谷部誠(フランクフルト)
高萩洋二郎(FC東京)
香川真司(ドルトムント)
山口蛍(セレッソ大阪)
小林祐希(ヘーレンフェーン)
柴崎岳(ヘタフェ)
井手口陽介(ガンバ大阪)
FW
岡崎慎司(レスター・シティー)
本田圭佑(パチューカ)
乾貴士(エイバル)
大迫勇也(ケルン)
原口元気(ヘルタ)
武藤嘉紀(マインツ05)
杉本健勇(セレッソ大阪)
久保裕也(ヘント)
浅野拓磨(シュツットガルト)
(文・写真/大木雄貴)