現地時間3日、世界柔道選手権最終日がハンガリー・ブダペストで行われた。2020年東京五輪で正式種目となり、今回が初採用となった男女混合団体は日本代表がブラジル代表を下し、初代王者に輝いた。次回の世界柔道はアゼルバイジャン・バクーで行われる。

 

 柔道発祥の国の意地を見せ、日本が初代王者に輝いた。

 

 第1シードの日本。15年は男女で団体優勝成し遂げており、今大会も金メダルの大本命である。今大会より採用された新種目男女混合団体は女子57㎏級、男子73㎏級、女子70㎏級、男子90㎏級、女子70㎏超級、男子90㎏超級の6階級で戦う。先に4勝したチームが勝ちとなり、勝利数が並んだ場合はポイント(一本=10ポイント、技あり=1ポイント)が高いチームが勝利。ポイント数も同じ場合は代表戦で勝敗を決める。

 

 初戦(2回戦)でウクライナ代表、準々決勝でドイツ代表、準決勝で韓国代表をいずれも5-1で退けた。迎えた決勝はブラジルが相手だ。日本のトップバッターは芳田司(コマツ)。今大会女子57㎏級の銀メダリストはリオデジャネイロ五輪同級金メダリストのラファエラ・シルバと対戦した。互いに指導2つで試合時間の4分では決着がつかず、延長戦へ。先にポイントを奪った方が勝利となるゴールデンスコア方式の延長戦。攻める芳田は2分半を過ぎたところで、横四方固めで抑え込んだ。20秒が経過し、一本勝ち。まず日本が先取した。

 

 芳田がつけた勢いに金メダリストが続く。男子73kg級の橋本壮市(パーク24)が終始攻め続けて優勢勝ちを収めた。現在世界ランキング1位の実力者。リオ五輪金の大野将平(旭化成)が出場しない中で、しっかりと結果を残した。女子70kg級の新井千鶴(三井住友海上)は延長戦の末、指導1つの差で勝利。これで3-0となり、日本は王手をかけた。

 

 4人目は男子90㎏級の長澤憲大(パーク24)。個人戦では出場を見送られた階級だ。団体戦要員として代表に選ばれた長澤にとっては、期する思いもあるだろう。ひたすら技を仕掛けにいく。消極的な姿勢の相手には指導が積み重なっていった。残り1分を切ったところで、3度目の指導が相手に与えられ、勝負あり。反則勝ちで4つ目の白星を掴んだ日本が優勝を決めた。

 

 その後も攻め手を緩めることなく重量級の朝比奈沙羅(東海大)と王子谷剛志(旭化成)もポイントを重ねた。終わってみれば6-0の完勝。団体世界一で大会を締めくくった。今大会は個人戦で7個の金、4個の銀、1個の銅メダルを獲得した。男子90㎏級と女子63㎏級は派遣なし。男女出場12階級中での7階級制覇は好結果である。中でも男子60㎏の阿部一二三(日本体育大)、同100㎏級のウルフ・アロン(東海大)らが初出場で優勝するなど若手の活躍が目立った。

 

(文/杉浦泰介)