ロシアW杯アジア最終予選が5日(日本時間6日)に行われ、B組首位が確定している日本代表(FIFAランキング44位)は暫定3位のサウジアラビア代表(同59位)とアウェーのジッダで対戦し、0-1で敗れた。試合は後半18分に途中出場のFWハフド・アルムワラドに先制ゴールを決められ、このまま逃げ切られた。勝ったサウジアラビアがB組2位となり、3大会ぶりのW杯出場を決めた。

 

 杉本、Aマッチ初出場も見せ場なし(ジッダ)

日本代表 0-1サウジアラビア代表

【得点】

[サ] ハフド・アルムワラド(63分)

 

 勝つしかW杯自動出場圏内の2位に浮上できない崖っぷちのサウジアラビアを相手に、日本はスタメンを前節から4人入れ替えた。中盤のインサイドハーフにはMF柴崎岳(ヘタフェ)、前線の3人には右からFW本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター)、FW原口元気(ヘルタ)を起用した。

 

 首位が確定している日本は前半から無理はしなかった。バックパスを使いスローテンポで試合を進める。チャンスらしいチャンスは数えるほど。33分、右CKを柴崎がファーサイドへ蹴るとDF昌子源(鹿島アントラーズ)がヘッドで合わせる。ゴール左に決まるかと思われたが、これはMFナワフ・アルアビドにクリアされた。

 

 勝つしかないサウジアラビアも日本に付き合うようにスロースタートだった。日本がサウジアラビアに決定機を作られたのは43分のみ。中央でボールを奪われるとアルアビド、MFタイシール・アルジャッサムと繋がれる。アルジャッサムからパスを受けた左サイドのDFマンスール・アルハルビがダイレクトで左足を振り抜くがゴール左上に外れた。スコアレスのまま試合を折り返した。

 

 後半開始から日本は本田を下げて、前節決勝ゴールを挙げたFW浅野拓磨(シュツットガルト)をピッチへ送り込む。対するサウジアラビアはFWモハンメド・アルサハラウィに代えてアルムワラドを投入した。

 

 後半は前半と打って変わってオープンな展開となった。8分は左サイドバックの長友佑都(インテル)がクロスを供給。ニアサイドで原口が右足で合わせるがわずかにゴール右に逸れた。その2分後にはカウンターからピンチを招く。長友がアルマワラドに振り切られGK川島永嗣(メス)と1対1。アルマワラドのシュートは川島が懸命に伸ばした左足で防いだ。

 

 しかし18分、日本は失点を許す。中央でボールを受けたMFアブドゥラー・オタイフからアルアビドへと繋がれ、ペナルティーエリア左に流れてきたアルマワラドにスルーパスが通される。フリーのアルマワラドにニアサイド上を撃ち抜かれた。一瞬の隙を突かれた手痛い失点だった。

 

 その後、日本はJリーグで14ゴールを記録しているFW杉本健勇(セレッソ大阪)を岡崎に代えて投入するが、見せ場は訪れなかった。サウジアラビアにうまく時間を使われ、1点ビハインドのまま試合終了。アジア最終予選を黒星で終えた。

 

 この結果、サウジアラビアがB組2位に浮上。B組からは日本とサウジアラビアが、A組からはイランと韓国がW杯出場を決めた。B組3位のオーストラリアはA組3位のシリアとプレーオフを戦う。オーストラリア対シリアの勝者が11月に行われる北中米カリブ地区4位のチームと大陸間プレーオフに進む。

 

 ロシアW杯開幕までおよそ9カ月。日本は親善試合などでチームの強化を進める。チーム戦術の縦に速いサッカーにどれだけ磨きをかけられるかが、世界と対等に戦う鍵となる。

 

(文/大木雄貴)