18日、優勝へのマジックナンバーを1としていた広島は甲子園で阪神と対戦。3-2で勝利してリーグ優勝を決めた。広島のリーグ優勝は昨季に続いて2年連続。セ・リーグの連覇は2012年~14年の巨人以来3年ぶり。広島が連覇を果たしたのは79年~80年以来、37年ぶりのことだ。

 

 地元・マツダスタジアムでの優勝決定を敗戦と雨天中止で逃した広島は敵地甲子園の1戦に先発・野村祐輔を立てた。対する阪神の先発はルイス・メンドーサ。広島は初回、4番・松山竜平がバースデータイムリーを放って先制。4回には野村のスクイズで追加点を奪って2-0とリードしたものの、その裏、野村が中谷将大にバックスクリーンへホームランを打たれて1点差。7回には阪神の代打・陽川尚将も左中間スタンドに放り込みゲームは振り出しに戻った。

 

 8回、広島は菊池涼介、丸佳浩の連続フォアボールでチャンスを作り、サビエル・バティスタが勝ち越しタイムリーで3-2。8回、9回はジェイ・ジャクソン、中崎翔太のリレーで逃げ切った。

 

 優勝した緒方孝市監督は「甲子園球場はプロ野球選手として第一歩を踏み出した場所です。そこで胴上げしてもらって心から嬉しく思っています。選手は昨年のあの喜びをまた味わいたいとキャンプから頑張ってくれました。追われる立場でしたが、優勝した経験を自信にして開幕から頑張ってくれました。シーズン中にケガ人も出ましたが、それを埋めてくれる本当に頼もしい選手たちでした。リードされても諦めない、スタメンだけでなくベンチ全体がそう思っている。それがうちのスタイルです。クライマックス、日本シリーズとまだまだ戦いは続きます。応援をよろしくお願いいたします」とインタビューに答えていた。

 

 今季、広島は開幕戦(阪神)を黒星スタート。だが翌日から4月13日まで引き分けを挟んで10連勝し、3月・4月を16勝10敗1分と大きく勝ち越して首位をひた走った。5月5日から阪神に3連敗を喫して2位に後退したものの結局、5月も15勝9敗と勝ち越し。首位で迎えたセ・パ交流戦はクリス・ジョンソン、野村祐輔の左右のエースが負傷離脱する中、セットアッパーの薮田を先発に回してその穴を埋めた。12勝6敗と福岡ソフトバンクと勝敗で並んだが、直接対決で1勝2敗と負け越したため球団初の交流戦最高勝率はならなかった。

 

 6月2日、育成選手のバティスタが支配下登録され、3日のロッテ戦、代打で起用されるとプロ初打席で逆転2ランを放った。鮮烈なデビューを飾ったラッキーボーイの登場で、広島は波に乗り6月を14勝7敗と勝ち越し。オールスターブレイクまでに2位・阪神に8ゲーム差をつけた。7月も15勝7敗1分と貯金を増やした広島にマジックナンバーが灯ったのは8月8日の中日戦だった。

 

 この試合、0-1のビハインドで迎えた7回表、広島は菊池、丸の連打でチャンスを作り、4番・鈴木誠也のタイムリーで同点。8回から中崎、今村猛、中田廉、一岡竜司、ジャクソンの救援陣が踏ん張り、延長12回、1-1で引き分けた。これでマジックナンバー33が点灯。球団史上最速のマジック点灯と話題になった。その後、3連敗を2度喫するなどしてマジックは消灯と点灯を繰り返し、8月は12勝13敗2分と今季、初の月間負け越しを記録した。また今季、4番に定着していた鈴木が23日のDeNA戦で右足首を骨折。全治3カ月で戦線を離脱するアクシデントもあった。最大11ゲームあった2位阪神との差は5.5にまで縮まっていた。

 

 だが9月に入ると広島は3連勝。6.5ゲーム差で迎えた5日の阪神戦は6-7から9回裏、安部友裕がサヨナラ2ランを放って逆転勝ち。これでマジックナンバー12が再点灯。その後、10日まで5連勝と順調にマジックを減らした広島は、この日、優勝を決めた。

 

 日本シリーズ進出をかけたクライマックスシリーズで、広島は10月18日からファイナルステージを戦う。相手は阪神か巨人か、それともDeNAか。37年ぶりにリーグ連覇を果たした広島の次の目標は84年以来の日本一だ。