徳島インディゴソックスとのチャンピオンシップが終了しました。その前に、まずは香川オリーブガイナーズ、後期優勝を果たすことができました。2015年前期以来となる優勝ですが、これも地元香川を含めてファンの皆さんの応援のおかげと感謝しております。いつも熱い声援をありがとうございます。

 

 後期は愛媛マンダリンパイレーツと最後まで優勝を争う展開でした。ウチと愛媛とで差が出たのはソフトバンクとの交流戦。愛媛は連敗したのに対して、ウチは負けませんでした。そこの貯金の差が出たのかと思っています。シーズン終盤は引き分けが多く、なかなか勝ちきれない試合ばかりでしたが、とりあえず「負けなかった」ことが良かったと思っています。優勝を決めた試合は1点リードされた展開で、最後、スクイズを外されましたがランナーがうまく回り込んでセーフになって同点にできた。そういう運も味方してくれました。

 

 香川は4チーム中、チーム打率が2割4分8厘と最下位なので、とにかく少ない得点でいかに勝つか、というスタイルです。投手を含めた守りで失点をできるだけ少なくして、攻撃陣はワンチャンスをものにしていく。そういうコツコツした野球で混戦を勝ち抜きました。攻撃陣では後期だけで7本のホームランを打ち、ホームラン王になったクリスの成長が大きかった。後期の試合で何かをつかみかけている感じなので、彼が来季も香川でやってくれるなら相当に大きな戦力になりますね。

 

 また外野手から内野手に転向した岡村瑞希もいい働きを見せました。打率は2割7分7厘。そして22盗塁をマークしてリーグ盗塁王です。プロ野球選手には心技体、すべての面で高いレベルが求められます。技術はそこそこレベルアップしていて、体力面もシーズンを通して戦えるだけのものを身につけています。あとは精神面での成長を果たせば、いい選手になるでしょう。

 

 安定のブルペン陣

 投手陣では原田宥希(8勝)、秀伍(6勝)、高原暢裕(5勝)、石田哲也(3勝)の先発陣が頑張ってくれました。原田は後期になってリリーフで使うこともありましたが、いずれの場面でも好投したので、今秋のNPBドラフトで声がかかるのを期待しています。また後期になって獲得したライアン・リチャードソン(防御率0.00)、そして中日から派遣された浜田智博(防御率0.55・6セーブ)もいい働きを見せてくれました。彼らがしっかりと試合後半を受け持ってくれたのも後期Vの一因です。

 

 さて、最後に徳島とのチャンピオンシップを振り返りましょう。結果は1勝3敗でリーグチャンピオンという夢は果たせませんでした。ビジターでの2戦を1勝1敗で乗り切り、第3戦からはホームゲームでしたが、そこで連敗して終戦となりました。チャンピオンシップが始まる前から、徳島の好投手、伊藤翔が難敵だと思って打線も攻略法をいろいろと練っていたのですが、2試合で16個の三振を奪われて完敗でした。

 

 伊藤翔はアイランドリーグ1年目、18歳という若さですが、非常にコントロールがいい。シーズン中からフォアボールを出して自滅というシーンをほぼ見たことがなく、チャンピオンシップでもその実力を遺憾なく発揮していました。あと徳島は大藏彰人という投手も良かったですね。彼は190センチ近い身長があり、素材という意味で将来が楽しみな存在です。捕手の垂井佑樹も投手陣をうまくリードしていました。

 

 長いシーズンが終わりましたが、この後はNPBのドラフトがあり、そしてリーグを卒業していく選手も出てきます。独立リーグの監督としていつも心がけているのは、チーム、そしてリーグ全体のレベルを落とさないように、人材の確保、育成に努めることです。資金力のあるNPB球団と違い、編成、育成には創意工夫も必要です。オフの間は頭をフル回転させることになりそうです。

 

 今シーズンは後期優勝を果たしましたが、チャンピオンシップで敗れました。来季に向けてまた強いチーム作りをしていきますので、これからも応援のほどよろしくお願いいたします。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>


◎バックナンバーはこちらから