(写真:コーチを9年務め、今季からチームを率いる中西監督)

 8日、第50回日本女子ソフトボールリーグ1部第8節最終日が各地で行われた。神奈川・サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた横浜大会でトヨタ自動車レッドテリア-ズが伊予銀行VERTZを8ー3で下した。トヨタ自動車は通算戦績を15勝3敗で単独2位に浮上。決勝トーナメント進出が決まった。高知大会で連勝したビックカメラBEE QUEENは17勝1敗で首位をキープ。決勝トーナメント進出を決めた。

 

 ルーキー堤、初HR含む2安打4打点

トヨタ自動車レッドテリアーズ   8 = 0303011

伊予銀行VERTZ          3 = 1000002

勝利投手 平原(3勝1敗)

敗戦投手 原田(0勝2敗)

本塁打 (ト)堤1号3ラン

    (伊)若林1号2ラン

 

 女王は秋の決戦へ、徐々に調子を上げてきている。トヨタ自動車が前半戦6月3日からの連勝を9に伸ばした。

 

 第9節の横浜大会は2日間で3試合のタイトなスケジュールだった。1日目の7日はSGホールディングス ギャラクシースターズ、日立サンディーバという前半戦で敗れた相手に連勝。ダブルヘッダーから一夜明けた2日目は伊予銀行と対戦した。

 

(写真:2安打1打点と主軸の役割を果たした長﨑)

 今季からチームの指揮を執る中西あかね監督は1番から古澤春菜、鈴木鮎美、長﨑望未を並べた。6番の塚本智名、7番の山本絵梨奈と共に同学年の5人は中西が奮起を期待する中堅選手たちだ。

 

 先発のマウンドに上がったのはエースのモニカ・アボットではなく平原かすみ。平原は初回に先制こそ許したものの、打線がすぐさま援護した。2回表、1死一、三塁で8番の堤加菜子がライトへ3ランを放った。ルーキーの日本リーグ初ホーマーでトヨタ自動車は逆転に成功した。

 

 援護をもらった平原は2回以降は3人で抑えた。4回表には長崎、神山みどり、古澤にタイムリーが生まれ、リードを5点に広げた。6回に渥美万奈、7回には堤の適時打で加点。5回からの2イニングを田内愛絵里がゼロで抑えると7回裏は高卒ルーキーの三輪さくらをマウンドに送った。

 

(写真:田中<4>は好走塁でダメ押し点に貢献した)

 三輪は同じく新人の若林舞に2ランを浴びたが、後続を抑えて試合を終わらせた。8-3で勝ち、横浜大会は3戦全勝。決勝トーナメント進出を手中に収めた。中西監督は「先制された後、すぐに逆転して流れを掴めた」と2回表の攻撃を評価した。

 

 今季は不動のトップバッターを務めたナターシャ・ワトリーなど選手が抜けて戦力ダウンは必至だった。中西監督は若手にも出場機会を与え、経験を積ませている。開幕から6連勝を挙げたが、日立戦から3連敗を喫した。第4節終了時点では決勝トーナメント進出ぎりぎりの4位と苦戦していた。

 

 主軸の長﨑も「自分たちのリズムに持っていけなかった」と前半戦を振り返る。後半戦に入ると徐々に若手や経験の浅い選手たちもリズムを掴みつつある。9月の全日本総合選手権大会を5年ぶりに制した。後半戦もここまで負け知らずだ。若手に限らず長﨑も「浮き沈みがなく打てています」と復調している。

 

「守ることに関してはしっかりやっていきたい」と中西監督。トヨタ自動車は堅いディフェンスがベースのチームだ。決勝トーナメントへ向けて成熟度を上げて、連覇を目指す。

 

(文・写真/杉浦泰介)