14日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージが、埼玉・メットライフドームで開幕した。第1戦は初回に先制した埼玉西武が、3回と6回に着実に追加点を重ね、終わってみれば10得点で圧勝した。西武は先発の菊池雄星が完封、東北楽天先発の則本昂大は4回7失点だった。西武はファイナルステージ進出に王手をかけた。15日に行われる第2戦で、引き分け以上でファイナルシリーズ進出が決まる。

 

◇第1戦

エース菊池、121球9奪三振完封(西武1勝/メットライフドーム)

東北楽天  0 = 000|000|000

埼玉西武  10 = 205|003|00×

 

勝利投手 菊池(1勝0敗)

敗戦投手 則本(0勝1敗)

本塁打 (西)浅村1号2ラン、中村1号3ラン

 

 パ・リーグCSファーストステージ、西武の先発は菊池、楽天は則本。両チームのエースが初戦のマウンドに上がった

 

 緊迫した投手戦になるかと思われたが、ゲームはいきなり動いた。西武は初回、1死から源田壮亮が死球で出塁し、打席には3番・浅村栄斗が立った。1ボールからの2球目、則本が投じたインコースのストレートを完璧にとらえた打球はレフトスタンドへ。開始早々の一発で2点を先制した西武が、主導権を握った。

 

 いきなり2点のビハインドを背負った楽天は2回表、先頭の銀次がレフト前ヒットで出塁する。続く島内宏明がバントを試みるも、西武のキャッチャー炭谷銀仁朗がセカンドへ好送球。島内もアウトとなりダブルプレー。手堅く攻める作戦が裏目に出る結果となってしまった。

 

 勢いづいた西武は続く3回裏、1アウト満塁のチャンスを掴むと、この日7番に入った中村剛也が犠牲フライを放ち3点目。さらに前の回に好プレーを見せた8番・炭谷がレフトオーバーの2点タイムリーツーベースを放ち5対0とした。

 

 その後2死一、二塁となり、打席には今季の首位打者・秋山翔吾。則本渾身のストレートを見事にレフト前に運び、6点目。さらにルーキーの源田も低めに落ちる難しいフォークボールをセンター前にはじき返して7点目を奪った。

 

 3回を終えて西武が7対0とリード。エース同士の投手戦との予想とはかけ離れた一方的な展開になった。

 

 則本は結局4回を投げて7失点で降板。6四死球と制球に苦しみ、奪った三振もひとつだけという厳しい内容だった。

 

 西武は7回にも中村が3ランを放ち、10対0と試合を完全に決した。中村はこの試合4打点の大活躍だった。

 

 今季リーグ最多勝、最優秀防御率の2冠に輝いた菊池はCS初体験ながら、楽天打線を散発5安打に抑え、ピンチらしいピンチを招くこともなかった。

 

 完封勝利で楽天に“9勝目”の菊池は試合後のお立ち台で「かなり初戦が大事ということを話していたので、うれしいです。なんとかいい流れでバトンを渡せればと思っていたので、最高の結果で良かったです」とエースの重責を果たした喜びを口にした。先制打の浅村は「明日、決めると思います」と力強く宣言。気持ちは早くも明日の第2戦、そしてファイナルステージへと向かっていた。

 

 CSファーストステージ第2戦は、15日、同じくメットライフドーム(13時試合開始)で開催される。