14日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージが開幕。阪神が横浜DeNAを2対0で下して、ファイナルステージ進出に王手をかけた。阪神は0対0で迎えた6回裏、1死一塁で4番・福留孝介が右中間に2ランホームランを放ち先制。投げては先発のランディ・メッセンジャーが6回を3安打無失点に抑え、7回からマルコス・マテオ、桑原謙太朗、ラファエル・ドリスの継投で逃げ切った。DeNAは散発4安打と打線が奮わなかった。

 

◇ファーストステージ第1戦
 DeNA高卒ルーキー、細川。代打で四球(阪神1勝/甲子園)

横浜DeNA 0 = 000|000|000
阪神  2 = 000|002|00X
勝利投手 メッセンジャー(1勝0敗)
敗戦投手 井納(0勝1敗)
セーブ  ドリス(1S)
本塁打 (神)福留1号2ラン

 

 レギュラーシーズン2位・阪神、同3位・DeNAの対決となったCSファーストステージ。先発は阪神がメッセンジャー、DeNAは井納翔一がマウンドに上がった。

 

 立ち上がりから両投手ともに好投を見せ、5回まで無失点。特にメッセンジャーは8月10日、巨人戦で負った右足腓骨骨折から驚異的な回復を見せて10日の中日戦で復帰登板。そこから中3日とは思えない力投で、5回まで3奪三振、DeNAに二塁を踏ませなかった。

 

 井納もランナーを背負いはするものの連打を許さず、4回裏には先頭打者、5番・大山悠輔の強烈な打球をサード宮﨑敏郎が好捕。バックの守りにも助けられ、緊迫した投手戦が中盤まで続いた。

 

 試合が動いたのは6回裏。阪神は先頭の糸井嘉男がライト前ヒットで出塁し、打席には4番の福留。井納の4球目、真ん中低めのストレートをすくいあげた打球は、センターバックスクリーン右に飛び込む先制2ランとなった。「打った瞬間にいったと思った」という会心の一打で阪神がリードを奪った。

 

 7回表、3番ホセ・ロペスから始まるDeNAの攻撃に対して、阪神はマウンドに最優秀中継ぎ投手のマルコス・マテオを送った。マテオはロペスをファーストフライに打ち取ると、4番・筒香嘉智、5番・宮﨑敏郎を連続三振。8回は3番手・桑原謙太朗にバトンを渡した。

 

 だが桑原は本調子ではなく、先頭打者の梶谷隆幸にセンター前ヒットを打たれ、続く代打・乙坂智は内野ゴロに仕留めたものの1死一塁。ここでアレックス・ラミレス監督は代打に高卒ルーキー、細川成也を送った。

 

 シーズン終盤に1軍昇格、プロ初打席で3ランホームランを放った細川は将来の主軸候補との呼び声が高い。その細川に対して、桑原はストライクが入らず、ストレートのフォアボール。1死一、二塁。続く倉本寿彦の当たりはボテボテのピッチャーゴロ。これが進塁打となって2死二、三塁。DeNA、一打同点のチャンスで打席には1番・桑原将志が入った。

 

 だが、阪神・桑原が踏ん張り、最後はアウトコースのスライダーで空振り三振。DeNA桑原は4打席ノーヒットとこの日はいいところなく終わった。

 

 9回表、阪神のマウンドにはセーブ王のラファエル・ドリスが上がり、柴田竜拓を三振、ロペスを三塁ゴロに打ち取り、最後は筒香を3球三振に仕留めてゲームセット。4投手による完封リレーで阪神がCS初戦をものにした。

 

 勝った阪神・金本知憲監督は「中3日だったがメッセンジャーの"絶対に勝ってやる"という気迫がピッチングに出ていた。投手陣は完璧な仕事をしてくれた。野手では糸井、福留と中心選手がしっかり仕事をしてくれると勝てる。初戦を勝つとファイナル進出の確率が何%とか言われているがそれは気にしない。次も勝つだけ」と語った。

 

 敗れたDeNAラミレス監督の試合後のコメントは以下のとおり。
「ロースコアゲームになると予想して、(小技に優れる)柴田を2番に入れた。それも1番の桑原が出塁しないことにはいかせなかった。何より野球は点を取らないと勝てない。もう次のゲームのことを考えるしかない。今日のことは忘れ、気持ちを切り替えていく」

 

 ファーストステージ第2戦(甲子園)は15日午後2時にプレーボール予定。