20日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第3戦が行われ、横浜DeNAが広島に1対0で勝利。対戦成績を2勝2敗の五分にした。DeNAは2回、先発・井納翔一のタイムリーヒットで1点を先制。6回途中まで井納が広島を無得点に抑え、その後は6投手の継投でリードを守りきった。広島は再三チャンスを築いたものの、あと1本が出なかった。

 

◇ファイナルステージ第3戦
 バティスタ4番起用もノーヒット(2勝2敗 マツダ)
横浜DeNA 1 = 010|000|000
広島  0 = 000|000|000

勝利投手 井納(1勝0敗)
敗戦投手 ジョンソン(0勝1敗)
セーブ  山﨑(1S)

 

 広島が勝てば日本シリーズに王手、DeNAは負ければ後がなくなる崖っぷちの第3戦。先発は広島がクリス・ジョンソン、DeNAは井納にマウンドを託した。

 

 初回、ジョンソンは二番・梶谷隆幸にセンター前ヒットを打たれたものの、4番ホセ・ロペスをショートゴロ併殺。井納も2死から3番・丸佳浩を振り逃げで出塁させたが、この日、4番に入ったサビエル・バティスタから三振を奪い、両投手、上々の立ち上がりを見せた。

 

 2回表、DeNAは2死から6番・嶺井博希が内角膝元のカットボールをセンター前に弾き返して出塁。柴田竜拓はジョンソンのストレートをバットの先で拾ってレフト前へ。2死一、二塁で打席に入った8番の井納は、1ボール1ストライクからインローのストレートをセカンド後方に打ち上げた。ジャンプしたセカンド菊池涼介のグラブをかすめたこの打球はライト前に落ち、二塁から嶺井が生還。井納のまさかのタイムリーヒットでDeNAが1点を先制した。

 

 井納は2回で40球を超すなど本調子ではなかったが、広島は3回、1死から田中広輔がツーベースで出塁したものの、菊池、丸が倒れて好機を活かせず。4回裏は三者凡退。5回裏、西川龍馬がライト前ヒットで出塁し、石原慶幸が送りバントを試みるがスリーバント失敗。さらに代打・天谷宗一郎の打席で西川が盗塁死すると、天谷も空振り三振に倒れて、井納を攻略できなかった。

 

 広島の最大のチャンスは6回裏に訪れた。1死から菊池、丸が連打を放ち一、二塁。一発のあるバティスタを迎えたところで、DeNAは2番手・三上朋也にスイッチした。

 

 打ち気に早るバティスタに対して、DeNAバッテリーはスライダーでタイミングを外してセカンドフライに打ち取り、2死一、二塁。ここからDeNAベンチは細かい継投を見せ、松山竜平にはサウスポーの砂田毅樹。松山がフォアボールで歩き満塁となると、続くブラッド・エルドレッドには右腕・須田幸太をぶつけ、初球、ストレートでレフトフライに切り、ピンチをしのいだ。

 

 7回裏、5番手エドウィン・エスコバーが西川にヒットを許したものの、続く石原の送りバントを捕手・嶺井が好フィールディングで併殺、ピンチの芽を摘み取った。8回裏、先頭の田中がフォアボールで歩き無死一塁となったが、エスコバーに代わったスペンサー・パットンが菊池をセカンドゴロ併殺。丸から三振を奪い、9回は山崎康晃にバトンを渡した。

 

 最終回、広島は4番・バティスタから始まる好打順だったが、山﨑はバティスタをサードゴロ。松山、エルドレッドを連続三振に切ってとりゲームセット。これで対戦成績は2勝2敗。勝ったチームが日本シリーズ進出王手となる第4戦は21日、午後1時30分、マツダスタジアムでプレーボール予定。