24日、マツダスタジアムで行われたセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第5戦、横浜DeNAが広島を9対3で下し19年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。DeNAは2点を先制されたものの、宮﨑敏郎、桑原将志のホームランで逆転。さらに4番・筒香嘉智の2打席連続、梶谷隆幸の1号2ランなどアーチ攻勢で圧勝した。日本シリーズは28日、福岡ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームからスタートする。

 

◇ファイナルステージ第5戦

 MVPは第2戦で猛打賞のロペス(DeNA4勝2敗 マツダ)
横浜DeNA 9 = 012|120|120
広島  3 = 200|001|000

勝利投手 三嶋(1勝0敗)
敗戦投手 野村(0勝2敗)

本塁打 (De)宮﨑2号ソロ、桑原1号2ラン、筒香2号2ラン、3号2ラン、梶谷1号2ラン
    (広)新井1号ソロ

 

 勝てば日本シリーズ進出となるDeNAはファイナルステージ初戦で先発した石田健大。あとのない広島は第2戦先発の野村祐輔にマウンドを託した。両投手とも前回の登板では敗戦投手になっており、リベンジを期しての登板となった。

 

 初回、DeNAの攻撃を三者凡退で退けた野村に対して、石田は先頭の田中広輔にいきなりツーベースを浴び、無死二塁。菊池涼介が送りバントを決めると、3番・丸佳浩がライト前タイムリー。あっという間に先制点を奪われた。この日、4番に入ったベテラン新井貴浩はセンターフライに仕留めたものの、続く松山竜平の打席で丸が盗塁に成功。松山にはフォアボールを与え、2死一、二塁。7番のサビエル・バティスタにはレフト前に弾き返され、さらに1点を献上。石田はぴりっとしない立ち上がりで、昨日に続いて広島が試合をリードした。

 

 2回表、DeNAは宮崎がレフトスタンドにホームランを放ち2対1。続く2回裏、ファイナルステージで早めの継投を見せたアレックス・ラミレス監督が早くも動いた。初回2失点の石田を1回で諦めて、マウンドに三嶋一輝を送った。三嶋は8番・會澤翼を三振、9番・野村をサードゴロ、田中はピッチャーゴロに打ち取った。

 

 三嶋は3回表、そのまま先頭打者として打席に入り三遊間を破るレフト前ヒットを放つ。1死の後、打順はトップの桑原に返り、2ボール1ストライクから野村のストレートをフルスイング。これがレフトポールに直撃する逆転2ランとなり3対2、DeNAが試合をひっくり返した。

 

 その裏、広島は菊池がレフト前ヒットで出塁し、丸がフォアボールで歩き無死一、二塁。新井はセンターフライに倒れたものの、この浅い当たりでセカンドランナーの菊池がタッチアップ、三塁を陥れた。1死一、三塁と絶好のチャンスを迎えたが、松山は空振り三振。これで丸がスタートを切り、二塁にボールが送球され挟殺プレーの間に菊池が本塁を狙った。だが、ボールがホームへ転送され菊池はタッチアウト。同点はならなかった。

 

 4回表、野村に代わって大瀬良大地が2番手で登板。筒香、宮﨑と簡単に2アウトをとったものの、柴田竜拓、嶺井博希に連打を浴びて二死一、二塁。ここで代打に登場したのがルーキー細川成也。細川は大瀬良の初球、インサイドのカットボールをセンター前に弾き返し、二塁から柴田が生還。4対2とリードを広げた。

 

 DeNAは3番手の濱口遥大が4回裏を3人で抑え、5回表には4番・筒香が2試合連続となるツーランホームランをバックスクリーンに叩き込み、6対2。濱口は5回裏も無失点で切り抜け、6回からは三上朋也がマウンドへ。三上は新井に一発を浴びたものの後続を断ち、7回はエドウィン・エスコバー。菊池に四球を与えたものの後続を断ち、広島に反撃の隙を与えなかった。

 

 8回表、DeNAは1死二塁から2番・梶谷がライトスタンドへツーランを放ち、9対3。ゲームの大勢はこれで決し、8回はスペンサー・パットン、そして9回はここまで3試合を投げ1人のランナーも許していない山崎康晃が登板した。山﨑は最後、田中を空振り三振に仕留めてガッツポーズ。DeNAがセ・リーグ初となる3位からの日本シリーズ進出を決めた。

 

 DeNAは初戦を落としアドバンテージを含め2敗からのスタートとなったが、そこから4連勝。試合後、ラミレス監督は「どれも簡単に勝てた試合はなく、すべての試合が接戦でエキサイティングだった。継投について自分は決断しただけで、選手がよくやってくれた。全体的にピッチャーの頑張りが勝利を呼び込んだ」と振り返り、ソフトバンクとの日本シリーズについては、「セ・リーグを代表して日本シリーズへいく。とにかくベストを尽くして勝ちたい」と決意を語った。