26日に行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」、注目の清宮幸太郎(早稲田実業)は千葉ロッテ、東京ヤクルト、北海道日本ハム、巨人、東北楽天、阪神、福岡ソフトバンク(指名順)の7球団が競合。抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得した。中村奨成(広陵高)は中日と広島が競合し、広島が交渉権を得た。即戦力サウスポーの田嶋大樹(JR東日本)はオリックス、埼玉西武が競合でオリックス。大学ナンバーワン左腕と呼び声の高い東克樹(立命館大)は横浜DeNAが単独1位指名、一本釣りに成功した。

 

 清宮を筆頭に中村、安田尚憲(履正社高)と高校生野手に逸材が揃った今年のドラフトは、千葉ロッテの清宮1位指名から始まった。以下、ヤクルト、日本ハムが清宮を1位指名し、中日が中村、オリックスが田嶋を指名した後、巨人、楽天が清宮を1位指名し、ここまで5球団が競合。続くDeNAが立命館の東を指名すると会場がどよめいた。

 

 東はリーグ戦で2度のノーヒットノーランを達成した大学球界屈指のサウスポー。単独指名で交渉権を得たアレックス・ラミレス監督はニヤリと笑った。「彼はコントロールがとてもよく、球種もありコンビネーションもいい。DeNAが優勝するために必要なピッチャーなので入団した暁には、しっかりと準備をして合流してほしい」とラミレス監督。東は記者会見で「152キロのストレートが注目されていますが、僕の一番の見てほしいところはコントロールです。身長が小さくても(170センチ)プロでやれるということを見せたい」と意気込みを語った。

 

 DeNAの後、阪神とソフトバンクが清宮を指名して、清宮は高校生野手最多タイの7球団競合となった。抽選で当たりくじを引いたのは日本ハムの木田優夫GM補佐。交渉権獲得を見届けた栗山英樹監督は「心の底から嬉しかった。世界に通用するバッターになると思うので、王さんの記録に挑むという夢をバックアップしたい」と語った。清宮は「やっとスタートラインに立てたという気持ちです。まだ自分はなにも成し遂げていない。高校野球では結果を残したけど、プロはまた別世界だと思っている。しっかり鍛錬して、自分に磨きをかけたい」と記者会見で意気込みを見せた。

 

 広島と中日が競合した中村は地元の広島が交渉権を獲得。記者会見した中村は「地元のチームに選ばれてうれしい。プロでもキャッチャーでやっていきたい。ずっと(広陵の先輩の)小林誠司さんを目標にしていたので、プロでも成績はもちろん人間的にも小林さんのようになりたい」と抱負を述べた。

 

 ハズレ1位ではロッテ、阪神、ソフトバンクが安田で競合。抽選の結果、ロッテが交渉権を得た。安田は「小さい頃からプレーを見ていた井口資仁監督の下でやれることは光栄です。清宮、中村と別のチームになったが、またプロで戦いたい。そのためにはまずは1軍に上がれるようになること」と、高校ビッグ3のプロでの再戦を誓った。

 

 ヤクルト、巨人、楽天が競合した村上宗隆(九州学院高)は、中村と並び"打てる捕手"として高評価の逸材。小川淳司新監督が当たりくじを引き当てた。中日はヤマハのパワーピッチャー、鈴木博志、西武は斎藤大将(明治大)の交渉権を得た。

 

 さらにハズレハズレ1位では阪神とソフトバンクが馬場皐輔(仙台大)で競合。これは金本知憲監督が当たりくじを引いた。馬場は仙台育英から仙台大に進学。180センチ、90キロの恵まれた体格から最速155キロのストレート投げ込む右投手だ。「最初の2回はもう当たりがない状態だったので、(2択の)3度目は当たりが引けてよかった。阪神は先発の枚数が足りないので、彼には1年間きっちりと働けるピッチャーになってほしい」と、金本監督は即戦力として期待を見せた。

 各球団の指名選手は以下の通り。

 

◆2017年ドラフト 各球団指名選手

◆福岡ソフトバンク
1位 吉住晴斗  鶴岡東高 投手
2位 高橋 礼 専修大 投手
3位 増田 珠 横浜高 外野手
4位 椎野 新 国士館大 投手
5位 田浦文丸 秀岳館高 投手

育成1位 尾形崇斗 学法石川高 投手

育成2位 周東佑京 東農大北海道オホーツク 内野手

育成3位 砂川リチャード 沖縄尚学高 内野手

育成4位 大竹耕太郎 早稲田大 投手

育成5位 日暮矢麻人 立花学園高 外野手

育成6位 渡辺雄大 BC・新潟アルビレックス 投手

 

◆西武
1位 齋藤大将  明治大 投手
2位 西川愛也 花咲徳栄高 外野手
3位 伊藤 翔 四国IL・徳島インディゴソックス 投手
4位 平良海馬 八重山商工高 投手
5位 興座海人 岐阜経済大 投手
6位 綱島龍生 糸魚川白嶺高 内野手

育成1位 高木渉 真颯館高 投手

育成2位 斉藤誠人 北海道教育大岩見沢校 捕手

 

◆楽天
1位 近藤弘樹  岡山商科大 投手
2位 岩見雅紀 慶応義塾大 外野手
3位 山崎 剛 國學院大 内野手
4位 渡邉佑樹 横浜商科大 投手
5位 田中耀飛 関西・兵庫ブルーサンダーズ 外野手
6位 西巻賢二 仙台育英高 内野手
7位 寺岡寛治 BC・石川ミリオンスターズ 投手

育成1位 井手亮太郎 九州産業大 投手

育成2位 松本京志郎 光南高 内野手

育成3位 中村和希 天理大 外野手

 

◆オリックス
1位 田嶋大樹  JR東日本 投手
2位 鈴木康平 日立製作所 投手
3位 福田周平 NTT東日本 内野手
4位 本田仁海 星槎国際湘南高 投手
5位 西村 凌 SUBARU 捕手
6位 西浦颯大 明徳義塾高 外野手
7位 廣澤伸哉 大分商高 内野手
8位 山足達也 ホンダ鈴鹿 内野手

育成1位 稲富宏樹 三田松聖高 捕手

育成2位 東晃平 神戸弘陵高 投手

育成3位 比屋根彰人 飛龍高 内野手

育成4位 木須デソウザフェリペ 御殿場西高 捕手

 

◆日本ハム
1位 清宮幸太郎  早稲田実 内野手
2位 西村天裕 NTT東日本 投手
3位 田中瑛斗 柳ヶ浦高 投手
4位 難波侑平 創志学園 内野手
5位 北浦竜次 白鴎大足利高 投手
6位 鈴木遼太郎 東北学院大 投手
7位 宮台康平 東京大 投手

 

◆ロッテ
1位 安田尚憲  履正社高 内野手
2位 藤岡裕大 トヨタ自動車 内野手
3位 山本大貴 三菱自動車岡崎 投手
4位 菅野剛士 日立製作所 外野手
5位 渡邉哲太 NTT東日本 投手
6位 永野将司 ホンダ 投手

育成1位 和田康士朗 BC・富山サンダーバーズ 外野手

育成2位 森遼大朗 都城商高 投手

 

◆広島
1位 中村奨成  広陵高 捕手
2位 山口 翔 熊本工高 投手
3位 ケムナ・ブラッド誠 日本文理大 投手
4位 永井敦士 二松学舎大付高 外野手
5位 遠藤淳志 霞ヶ浦高 投手
6位 平岡敬人 中部学院大 投手

育成1位 岡林飛翔 菰野高 投手

育成2位 藤井黎來 大曲工高 投手

育成3位 佐々木健 小笠高 投手

 

◆阪神
1位 馬場皐輔  仙台大 投手
2位 高橋遥人 亜細亜大 投手
3位 熊谷敬宥 立教大 内野手
4位 島田海吏 上武大 外野手
5位 谷川昌希 九州三菱自動車 投手
6位 牧 丈一郎 哲新高 投手

育成1位 石井将希 上武大 投手

 

◆横浜DeNA
1位 東 克樹  立命館大 投手
2位 神里和毅 日本生命 外野手
3位 阪口 亮 北海高 投手
4位 齋藤俊介 JX-ENEOS 投手
5位 櫻井周斗 日大三高 投手
6位 寺田光輝 BC・石川ミリオンスターズ 投手
7位 宮本秀明 パナソニック 内野手
8位 楠本泰史 東北福祉大 内野手
9位 山本祐大 BC・滋賀ユナイテッド 捕手

育成1位 中川虎大 箕島高 投手

 

◆巨人
1位 鍬原拓也  中央大 投手
2位 岸田行倫 大阪ガス 捕手
3位 大城卓三 NTT西日本 捕手
4位 北村拓己 亜細亜大 内野手
5位 田中俊太 日立製作所 内野手
6位 若林晃弘 JX-ENEOS 内野手
7位 村上海斗 奈良学園大 外野手
8位 湯浅 大 健大高崎高 内野手

育成1位 比嘉賢伸 盛岡大附属高 内野手

育成2位 山上信吾 常磐高 投手

育成3位 笠井駿 東北福祉大 外野手

育成4位 田中優大 羽黒高 投手

育成5位 広畑塁 立正大 捕手

育成6位 小山翔平 関大 捕手

育成7位 折下光輝 新野高 内野手

育成8位 荒井颯太 関根学園高 外野手

 

◆中日
1位 鈴木博志  ヤマハ 投手
2位 石川 翔 青藍泰斗高 投手
3位 高松 渡 滝川二高 内野手
4位 清水達也 花咲徳栄高 投手
5位 伊藤康祐 中京大中京高 外野手
6位 山本拓実 市西宮高 投手

育成1位 大蔵彰人 四国IL・徳島インディゴソックス 投手

育成2位 石田健人マルク 龍谷大 投手

 

◆東京ヤクルト
1位 村上宗隆  九州学院高 捕手
2位 大下佑馬 三菱重工広島 投手
3位 蔵本治孝 岡山商科大 投手

4位 塩見泰隆 JX-ENEOS 外野手

5位 金久保優斗 東海大市原望洋高 投手

6位 宮本 丈 奈良学園大 内野手

7位 松本直樹 西濃運輸 捕手

8位 沼田拓己 BC・石川ミリオンスターズ 投手