(写真:ホームでの勝利をブースターと共に祝う選手とチアリーダーたち)

 29日、男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」第6節最終日が各地で行われた。東地区1位のアルバルク東京は中地区5位の富山グラウジーズとホームのアリーナ立川立飛で対戦。A東京は第1Qこそ15-21とリードを許したものの、第2Qに逆転する。以降、リードを広げて78-65で快勝。A東京はリーグ戦7連勝で、通算成績を10勝1敗とした。一方、敗れた富山は4連敗を喫し、4勝7敗で中地区5位のままとなった。

 

 富山・宇都、両軍最多タイの16得点も及ばず(アリーナ立川立飛)

アルバルク東京 78-65 富山グラウジーズ

【第1Q】15-21【第2Q】26-15【第3Q】20-14【第4Q】17-15

 

 前日は100点ゲーム(104-77)で大勝したA東京。ホームで連勝して週末を終えたいところだ。スターティングメンバーはPG安藤誓哉、SG田中大貴、SF菊地祥平、PF/C竹内譲次、Cアレックス・カークという前日と同じ顔ぶれ。外国人のオン・ザ・コートも変わらず1-2-1-2で臨んだ。

 

「2日目は厳しい戦いになる。富山は必ずハードに戦ってくると予想していました」。A東京のルカ・パヴィチェヴィッチHCの見立て通り、相手はアグレッシブに攻めてきた。PG宇都直輝、PFサム・ウィラードを軸にした富山の攻撃に手を焼いた。第1Qは竹内が8得点、途中出場のSF馬場雄大が4得点を挙げたものの、15-21で終えた。

 

(写真:スリーポイント3本決めるなどアウトサイドからのシュートが冴えた安藤)

 第2Qがスタートしても富山にスコアを許し、一時は10点差を付けられる。それでもA東京はここまで6連勝中。今季はまだ1敗しかしていない。出遅れを取り戻すように、徐々にギアを上げる。まずは安藤が2連続スリーポイントを決めて3点差まで詰め寄る。「リズムが悪い時に決められて良かった」。昨季、秋田ノーザンハピネッツで1試合平均10.4得点を記録した安藤が、チームを鼓舞する。

 

 このQの残り5分から約2分半の間、富山のオフェンスを無得点に封じる。その間にゴール下でファウルをもらい、フリースローで確実に加点。残り3分42秒で追いつくと、Cランデン・ルーカスの得点で32-30と勝ち越した。そのまま5点のリードを奪って、第2Qを終了。後半を迎えた。

 

(写真:2本のダンクショット、3本のブロックショットとインサイドで力を発揮したカーク)

 第3QからはA東京のペース。インサイドプレーヤーが猛威を振るう。2分が過ぎたところで、速攻からカークが豪快なワンハンドダンクを叩き込んだ。竹内がブザービーターを含む2本スリーポイント。田中が4得点、安藤が3得点と加点し、リードを11点に広げた。第4Qは17-15で締めて、13点差で逃げ切った。内からも外からも点が取れる多彩な攻撃で、富山を退けた。

 

 A東京は今季からメンバーも大きく入れ替り、新たに6人が加わった。安藤、馬場、ルーカス、カーク、PG小島元基、PFジャワッド・ウィリアムズ。指揮官もパヴィチェヴィッチに代わり、目指すスタイルも変わる。田中は開幕前から「昨年より激しいプレースタイル。今年に関しては激しいディフェンスがアルバルクのカラーになると思います」と語っていた。

 

(写真:エースの田中は得点こそ2ケタに乗らなかったが、両軍最多の9アシストを記録)

「去年は勝ちを期待されていながら、達成できなかった。チームも勝つために大きな変化を選んだ」(キャプテン・SG正中岳城)。新生アルバルクはこれで7連勝。勝率を9割台に乗せた。新戦力の安藤が「毎週毎週良くなってきている」と手応えを口にすれば、昨季からの主力・竹内はチームの強さをこう述べた。「メンバーは変わりましたが、やるべきことは明確になっている。いい方向にチーム全員で向かえているのかなと思います」

 

 11月からは代表戦があり、安藤、田中、竹内、馬場の4人が候補選手として招集された。月末からは全日本総合選手権大会もスタートする。層の厚いスター軍団とはいえ、タフな日程が続く。“激戦区”東地区の先頭をひた走る名門の真価が問われる最初のヤマ場となりそうだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)