19日(日本時間)、AFCチャンピオンズリーグ決勝ファーストレグ浦和レッズ対アルヒラル(サウジアラビア)がキング・ファハド国際スタジアム行われ、浦和は1対1でアルヒラルに引き分けた。前半7分にFWラファエル・シルバのゴールで浦和が先制したが、37分にFWオマル・ハルビンに同点弾を決められた。浦和はアルヒラルにボールを支配されながらも、凌ぎ切った。

 

 次節、0対0でも浦和の優勝(キング・ファハド国際スタジアム)

浦和レッズ 1-1 アルヒラル

【得点】

[浦] ラファエル・シルバ(7分)

[ア] オマル・ハルビン(37分)

 

 アルヒラルの指揮官はJリーグ初代得点王のラモン・ディアス。24年前、浦和レッズの堀孝史監督とJのピッチで凌ぎを削ったが、再会の舞台はアジアナンバーワンを決める大一番だった。

 

 試合開始からわずか7分で試合は動いた。ラファエル・シルバが左サイドを突破しクロスを上げたが、MFサルマン・アルファラジが対処。しかし、このクリアーが中途半端になったところをラファエル・シルバがつめて先制点を決めた。アウェーで浦和が貴重な先制ゴールをあげた。

 

 試合を有利に進めたい浦和だったが、ディアス率いるアルヒラルは手ごわかった。浦和のお株を奪う圧倒的なボールポゼッションをベースに試合の主導権を掌握する。特に左サイドや中央で細かいパスを回す間に右サイドバックのDFモハンメド・アルブライクが深い位置までオーバーラップ。そこにロングボールを通し、ダイレクトでアルブライクがゴール前に折り返すかたちに手を焼いた。

 

 すると37分、耐えに耐えていた浦和がゴールを破られる。中央からロングパスを受けたアルブライクが右サイドからヘッドでゴール前に折り返す。MFサレム・アルダウサリがハルビンにつなぐ。ハルビンは左足でトラップすると素早く反転し、右足で押し込まれた。それまでも同じかたちで攻められていた浦和。3度まではぎりぎりで跳ね返していたが、4度目にしてゴールを許してしまった。

 

 その後も浦和にとって苦しい展開が続いた。支配率はわずか27%。それでも何とか同点で試合を折り返した。

 

 後半5分、アルヒラルに立て続けに左右から触れば1点のクロスを供給されるが、わずかに合わなかった。運にも助けられる浦和は、その後、きっちり修正。前半とは違い、ボールの出どころを抑えるために前からプレスをかけた。これにより相手のサイドチェンジが激減し、決定的なかたちを作らせなかった。

 

 しかし、守備に体力を使い、浦和も反撃に出られない。隙あらばミドルを放つものの、引き分けでも可の攻め方にチェンジ。徹底して相手のサイドのスペースにボールを運び、セーフティーファーストで試合を進めた。終了間際には相手選手が熱くなりラフプレーが増える。一方の浦和は冷静さを失わずプレーを続け、試合を終えた。圧倒的にボールを保持されたが、浦和が敵地で貴重なアウェーゴールを奪い、勝ちに等しい引き分けでファーストレグを終えた。

 

 この結果を受け、25日に埼玉スタジアムで行われるセカンドレグは仮に0対0でも浦和の10年ぶりのアジア制覇が決まる。浦和はホームでは積極的に攻めることが予想されるが、相手を無失点に抑えることが勝負の分かれ目となる。

 

(文/大木雄貴)