(写真:連覇のかかる男女シングルスの西本<左>と佐藤。2人には強力なライバルが立ちはだかる)

 27日、第71回全日本総合バドミントン選手権大会開催を前日に控え、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開会式と記者会見が行われた。連覇のかかる男子シングルスの西本拳太(トナミ運輸)は「今年は2連覇を目指し、1試合ずつベストなプレーを目指したい」と意気込んだ。また今大会は3日目よりセンターコート(第1コート)のみチャレンジ制度を導入する。

 

 代々木第二体育館は東京五輪に向けた改修のため、15年ぶりの駒沢開催となった全日本総合。昨年初優勝を成し遂げた男女シングルスの西本と佐藤冴香(ヨネックス)が連覇を誓った。

 

 昨年、大学生チャンピオンとなった西本は、4月からトナミ運輸に入社。日本男子シングルスのエースとして、この1年間戦ってきた。アジア混合団体選手権、スディルマンカップと国別対抗の団体戦も経験。日の丸を背負ってきた誇りがある。

 

 10月のBWFスーパーシリーズ(SS)フランスオープンでリー・チョンウェイ(マレーシア)をストレートで破った。リー・チョンウェイは言わずと知れたバドミントン界のレジェンドである。その余勢を駆って、同大会では自身最高のSS準優勝を果たした。

 

 同学年のライバル・桃田賢斗(NTT東日本)は5月に復帰。連戦連勝で駆け抜けている。「いい刺激になって、半年いい結果が出た。全日本総合で当たるとすれば決勝。まずは1回戦から1つずつしっかり勝っていきたい」と西本は足元を冷静に見つめている。

 

「どこで当たるかはわかりませんが、絶対そこまで勝って桃田を倒して、本当の日本一ということをしっかり見せたいと思う」
 西本は昨年の優勝時にこう話していた。同学年の頂上決戦が日本男子シングルスのエースを決める戦いとなる。「自分の持ち味は粘り強さ、泥臭さ」。世界ジュニア、トマス杯、SSと日本人初の道を切り拓いてきた桃田と比べれば、日の当たる道ばかり辿ってきたわけではない。王座返り咲きを狙う桃田をはねのけて“真の日本一”を目指す。

 

 女子シングルスの佐藤冴香(ヨネックス)は悲願の初優勝から連覇を目指す。「今年は厳しい戦いになる。東京オリンピックに向けてここからが正念場」と気を引き締める。

 

 6月のインドネシアオープンで優勝。SS初制覇を果たしたが、奥原希望(日本ユニシス)は世界選手権金メダリストになった。山口茜(再春館製薬所)もSSファイナルズの出場がかかるランキング1位。年下のライバルたちは着々と結果を残している。

 

「東京オリンピックの出場、そしてメダルを獲るには2人に勝たないといけない。全日本総合で優勝してこそ、世界へ戦う意気込みが出てくる。先を行く2人に早く追いつきたい」。170cmの長身サウスポーが、エースを狙う。  

 

第71回全日本総合バドミントン選手権大会

・11月28日(火)9時~ 予選

・11月29日(水)9時~ 1回戦

・11月30日(木)10時~ 2回戦

・12月1日(金)12時~ 3回戦

・12月2日(土)12時~ 準決勝

・12月3日(日)10時~ 決勝

※会場はすべて駒沢オリンピック公園総合運動場体育館

 

(文・写真/杉浦泰介)