薮田和樹の中4日は、やっぱりないよなあ……いまだにグズグズ考えてしまう。クライマックスシリーズ(CS)のことだ。

 

 10月18日の第1戦を薮田先発で取ったあと、第2戦、第3戦を連敗。アドバンテージを入れて2勝2敗のタイになる。それから1試合、雨天中止をはさんでの第4戦は、10月23日。ここでカープは、中4日の薮田先発という賭けに出た。これが失敗だった。

 

 結果的には3-4で惜敗。翌第5戦も野村祐輔が打たれ、まさかの4連敗でCS敗退となってしまった。今さらむし返したくもないが、誰もが知る結果である。

 

「薮田の中4日」を批判するのは、究極の結果論である。仮に、大瀬良大地が先発だったとしよう。勝てば、おそらくそのままCSも勝ち抜けられる。

 

 問題は負けたときである。おそらく、私はこう言ってしまう自信がある。

 

「緒方監督は、短期決戦の戦い方がわかっていない。ここは、中4日で、薮田でいくべきだった!」

 

「究極の結果論」たるゆえんである。それは重々承知のうえで、でも、やっぱり、浮き足立った采配だったと言いたい。

 

 CSについて考え始めると、未だに暗くなる。

 

 明るい話題のほうに移ろう。

 

「中村奨成VS.坂倉将吾――未来の正捕手はどっちだ!?」

 

 カープファンにとって今、これが一番明るい話題でしょう。

 

 もちろん実際には、そう簡単に勝負がつくことではない。併用時代が何年か続いて、徐々に結論が出ると予想するのが、冷静な態度というものだろう。

 

 個人的には、中村の未来像は「ホームランの打てる古田敦也」だと思っている。あの肩、キャッチングが、どことなく古田を連想させるのだ。打率は古田のほうが上かもしれないが、長打力はもちろん中村のほうが上。

 

 一方の坂倉は、実は日本ハムの近藤健介を思い起こさせる。規定打席には届かなかったが、今季4割を打った、あの近藤である。

 

 というと、なあんだ、結局、中村正捕手論者か、と言われそうだ。では、坂倉の未来像は「マスクもかぶる近藤」と言いなおしておこう(近藤も捕手登録だが、DH出場が多い)。

 

 やはり、このテーマ、底抜けに明るくなるなあ。

 

 もちろん、3連覇という明るい未来へ向かっていくことが大事である。しかし、なぜCSで4連敗という惨敗を喫したのか。これはもっともっと大々的に検証すべき問題である。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


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