24日、平昌五輪の日本代表最終選考会を兼ねた全日本フィギュアスケート選手権大会が東京・武蔵の森総合スポーツプラザで行われた。男子シングルは宇野昌磨(トヨタ自動車)が2連覇。2位に入った田中刑事(倉敷芸術科学大学大学院)と共に平昌五輪代表に選ばれた。今大会をケガで欠場したソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ANA)は国際大会の実績などを評価され、2大会連続の五輪代表に決まった。

 

 2枠の女子は全日本4連覇を果たした宮原知子(関西大)、今大会2位の坂本花織(シスメックス)が選出。ペアは須崎海羽、木原龍一組(木下グループ)が、アイスダンスには村元哉中、クリス・リード組(木下グループ)が代表入りを決めた。

 

 羽生のいない全日本。周囲の大きな期待を浴びるのは20歳の宇野だ。ディフェンディングチャンピオンとして、優勝候補の大本命と目されていた。

 

 ショートプログラム(SP)は1位。この日のフリースケーティングは最終滑走だ。「トゥーランドット」の曲に乗せて氷上を舞った。トリノ五輪女子シングルフリーで金メダルを獲った荒川静香の使用した曲で連覇を掴みにいった。

 

 冒頭の4回転ループは決めたが、ジャンプでミスが目立った。それでもフリーの186.47点はトップだった。演技を終えると両手を合わせて観客に謝るような仕草を見せた。

 

 2位に16点差をつけての連覇達成。だが宇野は「皆さんの期待に応えることができなかった」と納得はしていない。今シーズンは羽生がほぼいない中で日本の先頭になって引っ張ってきたことでこれまで以上に日の丸を背負うことへの自覚も芽生えてきたのだろう。

 

 初の五輪出場となる平昌。連覇がかかる羽生と共に日本のツートップが世界へと挑む。

 

(文/杉浦泰介)