1日、第62回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝2018)が行われた。群馬県内を巡る7区間100キロのコースを制したのは旭化成。昨年に続く連覇で大会最多記録を更新する23回目の優勝を飾った。初優勝を狙ったホンダは惜しくも2位に終わった。

 

 新春の上州路を舞台に行われるニューイヤー駅伝、今年は連覇を狙う古豪・旭化成と2年ぶりの優勝を目指すトヨタ自動車。そして初優勝を狙うホンダ、この3強の争いとなった。

 

 午前9時15分、号砲とともにスタートした1区をリードしたのは旭化成・茂木圭次郎。これをホンダ・田口雅也がぴたりとマークした。茂木は積極的にハイペースでレースを進め、3キロを過ぎるころには出場37チームは縦長の陣形となった。

 

 1区中盤、SUBARUの阿久津圭司がトップに並び、旭化成、富士通、九電工とトップ集団を形成した。レースが動いたのは9キロ地点、中国電力・藤川拓也がロングスパートを仕掛け、これを住友電工・遠藤日向が集団後方でマーク。残り1キロ、遠藤がスパートし、さらにトーエネック・服部弾馬が絡み、残り300メートルはデッドヒート。中継地点直前で遠藤が抜け出しトップでタスキをつないだ。

 

 外国人選手の参加が認められる2区は、9位でタスキを受けた旭化成のアブラハム・キャプシスが躍進した。旭化成創部以来初めての外国人選手であるキャプシスはその期待に応えて、ぐいぐいと順位を上げる。3キロを迎えるころにはトップに立ち、2位・トヨタのニコラス・コシンベイとともに3位以下を引き離した。結局、2区はコシンベイを終盤引き離したキャプシスが6秒差をつけてトップでタスキをリレー。2区終了時点の順位は旭化成、NTN、トヨタ、愛三工業、九電工。昨年、18人抜きを見せたDeNAビダン・カロキは今回も異次元のスピードを発揮し、18人を抜き去り13位まで挽回。3強の一角ホンダは14位で3区に突入した。

 

 "変動の3区"と呼ばれ、毎年、波乱の起きる3区。トップの旭化成は市田孝の安定した走りで順位をキープし2位を30秒以上引き離した。2位・富士通、3位・愛三工業、4位DeNA、5位・トヨタでエース区間と呼ばれる4区へ突入。ここで快走を見せたのがホンダの設楽悠太だった。

 

 12位でタスキを受けた設楽は1キロまでに2つ順位を上げて、その後も軽快な走りで9位に上がり、2.3キロ過ぎに6位集団に追いつくと、これをまとめてかわして6位に。中間地点を迎えるころには3位にまで浮上した。コース変更を受けた今年の4区は前半部分にアップダウンが多く、各選手がペース配分に苦労していたが設楽は起伏をものともせずにスパート。2位に上がった後、トップの旭化成・大六野秀畝を追走。1分30秒あった差を0秒に削る快走で、ホンダは旭化成と並んで5区へ入った。

 

 設楽の追撃でここまでのリードを一気に削られた旭化成だったが、5区の村山謙太、6区・市田宏が巻き返した。村山は序盤からハイペースの走りで最後は14秒差をつけて市田宏へリレー。市田もホンダ・石川末廣を寄せ付けず、1分3秒差でアンカー鎧坂哲哉へつないだ。

 

 結局、旭化成は勝負どころの5区、6区で区間賞を連続して獲得。最後は2位ホンダに2分12秒差をつけ圧勝した。3位はトヨタ、4位にトヨタ自動車九州、5位には富士通が入賞。最後までもつれた6位争いは、コニカミノルタ神野大地の再三のスパートにも惑わされることなく最後にかわしたDeNA木津晶夫が先にフィニッシュを果たした。