NPBのキャンプインと同じく2月1日から四国アイランドリーグplusも合同自主トレが始まります。投手陣も野手陣も徐々に新しいシーズンに向けてペースアップしていく時期ですね。

 

 常に変化を求めて動け

 香川オリーブガイナーズの加藤次郎と梶原直景が広島のスポーツジム「アスリート」にこのオフ、トレーニングに出かけました。広島市内に部屋を借り、そこからアスリートに通ってみっちりと体を鍛えてきたようで、この間、久々に会ったら体が大きくなっていましたよ。シーズンが楽しみです。2人は広島の新井貴浩や石原慶幸と食事もともにしたようで、そこで聞いた話が「とてもためになった」と言ってました。こうした経験はいい財産になるでしょうね。

 

 加藤や梶原のように積極的に外に出て、新しいことをやる姿勢は大事です。独立リーグの選手として上を目指すには、同じことをやっていても進歩がない。1年毎に年齢は上がるわけですから、進歩するために何か新しいことに取り組むのは大切です。

 

 今季、香川のキャプテンには三好一生を指名しました。2年目の彼をキャプテンにしたのは、全体を見られる能力を磨いてほしいという面もあります。それが身につけばキャッチャーとしても成長するきっかけになるかもしれないと思っています。

 

 今年も主軸として期待しているクリスは、あちこちで「20本塁打が目標!」と口にしています。チームの食事会でもオーナーの前でそう言ってましたけど、こうやって自分を追い込むのも成長につながるでしょう。大きな目標を立て、それに向けて奮い立つ。20本打てれば、彼の夢であるNPBドラフト指名も見えてくるでしょう。去年、後期にホームランを打ち出して、何かをつかみかけてるので、今季、順調に伸びてほしいですね。

 

 ドラフトで獲得した新人選手について触れておきましょう。1位の森崎友星は地元・高松の出身です。この2月で20歳になりまだまだ伸びしろ十分。徳島インディゴソックスの伊藤翔のようになってほしいですね。最速144キロをマークして能力は高いから、あとは試合で経験値を増やしてそこで何かをつかんでもらいたい。

 

 2位指名の又吉亮文は名前から分かるように、中日の又吉克樹の弟です。右投げサイドスローで環太平洋大時代は神宮大会にも出場しました。コントロールに難はありますが、球威は十分です。3位の畝章真もサイドスロー。彼は制球の良さが魅力ですね。又吉も畝も何かウイニングショットになる変化球や、完璧にコントロールできるコースをひとつでも見つければ自信になって、そこから大きく成長するでしょう。

 

 野手は宋皞均、笠原優弥と2人の外野手を獲得しました。宋はパンチ力があるバッティングが身上と聞いているので、うちの俊足で広角ヒッターの岡村瑞希、井戸川祐太と打線を組むと面白いでしょう。また笠原は俊足の持ち主で、トライアウトでは四国4球団すべてから声がかかった素質十分の選手です。

 

 彼らを加えて若い選手が中心の香川ですが、4月、5月と試合の中で成長し、そして前期から優勝を狙いたいですね。選手の地力がついてくるは8月以降ですが、やはりチームとしては勝ちにいきます。

 

 私も2007年から香川の監督を務めていて、今年で12シーズン目です。最初の5年間は常勝オリーブガイナーズでイケイケドンドン、次の5年は又吉らドラフトに好選手を送り込みました。では次の5年は、となるといろいろと考えるところはあります。野球界も変革の時期を迎えていますので、NPBと独立リーグがより密接な関係になれるように関係各所が動いていただいて、我々現場もそれに応えたいと思っています。

 

 村田修一の去就先として四国、そしてBCリーグと独立リーグの名前が上がりました。彼のような選手が来れば独立リーグの若手には非常に勉強になります。うちもオファーを出しましたが、残念ながら縁はありませんでした。近々、行き先が決まると思いますが、独立リーグで過ごした後、村田がNPBに復帰することを祈ってます。


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