12日、平昌五輪のフリースタイルスキー・男子モーグル決勝が行われ、原大智(日大)が82.19点で3位に入り、銅メダルを獲得した。同種目での表彰台は日本人初。また今大会日本人メダリスト第1号となった。金メダルは86.68点でミカエル・キングズベリー(カナダ)が、銀メダルは82.57点でマット・グラハム(オーストラリア)が手にした。

 

 20歳の新鋭・原が日本初の快挙を成し遂げた。

 

 4人全員が決勝に進んだ日本勢。オリンピック3大会連続出場の西伸幸(マンマーノフーズ)は決勝1本目、2017年世界選手権2冠の堀島行真(中京大)とバンクーバー五輪7位入賞の遠藤尚(忍建設)は決勝2本目で姿を消した。望みは原1人に託された。

 

 予選6位で一発通過となった原。決勝1本目は81.29点で3位に入り、上位12人までの決勝2本目に進んだ。そこから半分がふるい落とされるスーパーファイナルにW杯で表彰台にも上がったことのない原が、なんとトップ通過を果たした。W杯通算48勝を挙げ、種目別で6シーズン連覇中のキングズベリーを抑えてのものだった。

 

 第1エアでEグラブ付きのコーク720を決めると、第2エアではミュートグラブ付きのバックフリップ。着地ミスもなくゴールした。スピーディーなターンで82.30点を挙げた。キングズベリーより0.11点上回り、スーパーファイナルは最終滑走となった。

 

 決勝2本目の上位6人だけが進めるスーパーファイナル。3番目に滑ったグラハムが暫定トップの82.57点をマークした。残りは3人。これがメダルへの基準点となる。ケーシー・アンドリンガ(アメリカ)は高いエアで魅せるも、着地でバランスを崩したことが響き75.50点にとどまった。これでグラハムのメダルが確定した。

 

 次のキングズベリーは金メダル大本命だ。前回のソチ五輪も優勝候補に挙げられながら、銀メダル。唯一手にしていないビッグタイトルがオリンピックである。絶対王者はここ一番で圧巻の滑りを見せる。第1エアでダブルツイストを決めると、スピードは落とさず安定したターンを披露。タイム、エア、ターン3項目全てでグラハムを上回る86.63点をマークした。ここでトップに立ち、原の滑走を待つ。

 

 原は最後まで攻めの滑りを貫いた。第1エアのEグラブ付きのコーク720を成功した後のミドルセクションもスピードに乗りつつ、ミスなくまとめた。第2エアもミュートグラブ付きのバックフリップ。フィニッシュタイムの24秒90はキングズベリー、グラハムに次ぐ記録だ。原はやり切った表情を見せる。そして祈るように採点を待つ。暫定3位の選手は77.02点。原はこれ以上のスコアを出せば表彰台に上がれる。

 

 82.19――。この瞬間、原の銅メダルが決まった。1992年アルベールビル五輪から2014年ソチ五輪までで述べ19人の日本人が挑んできた種目の歴史を変えた。

 

(文/杉浦泰介)