14日、平昌五輪スピードスケート女子1000メートルが行われ、小平奈緒(相沢病院)が1分13秒82で銀メダル、髙木美帆(日本体育大助手)が1分13秒98で銅メダルに輝いた。郷亜里砂(イヨテツスピードクラブ)は1分15秒84で13位に終わった。金メダルを獲得したオランダのヨリン・テルモルスは1分13秒56のオリンピックレコードを出した。

 

 一発勝負で行われるスピードスケート女子1000メートル。日本からは郷、髙木、小平が出場した。

 

 髙木は14組のインレーンのスタートだった。好スタートを切り200メートルは1位のテルモルスを0.41秒上回るタイムで通過。ダイナミックな滑りを見せていたが、2日前に銀メダルを獲得した1500メートルの疲労が残っていたのだろう。ここから先は伸びず、1分13秒98でフィニッシュした。ゴール後、髙木は少し悔しそうな表情を浮かべた。

 

 15組アウトレーンスタートの小平は1000メートルの世界記録保持者(1分12秒09)だ。当然、今大会日本人初の金メダルを期待されていた。

 

 小平も髙木同様、好スタートを切った。この4年で鍛えたカーブワークを発揮しグングンと加速。200メートルはオリンピックレコードを叩き出したテルモルスより0.4秒速い17秒67で通過し、インレーンへ入る。ここでもスムーズなコーナリングを見せて600メートル通過は44秒55。このタイムもテルモルスより0.51秒も速かった。

 

 だが、ここから小平の表情は険しくなった。苦しそうに滑り、体のバランスを崩す場面も見られた。それでも先を睨みながら滑り切り、髙木を上回る1分13秒82でゴールした。この時点で小平は暫定2位、髙木は暫定3位。最終組の2人は髙木の記録を下回ったため、日本人によるW表彰台が決まった。

 

 小平は前回のソチ大会で500メートルは5位、1000メートルは13位だった。大会終了2カ月後にはスピードスケート強豪国のオランダへ飛んだ。今までは空気抵抗を抑える低い姿勢で滑っていたが、少し上体を起こし、足を大きく動かすフォームに改造した。コーナリングでの加速力を高めるため、骨盤周りの筋肉も強化して挑んだ平昌の舞台。個人種目での初のメダルを獲得したが、目標の金にはあと一歩届かなかった。

 

 小平は「600メートルまで良い形で来られたが、最後は落ちた。それでもあきらめずに滑れた」とレースを振り返った。髙木と2人で上がった表彰台については「もう一段高いところで、並べたら最高だった」と語り、「今回のことは忘れて、自分の得意な500メートルに集中したい」と先を見据えた。

 

 髙木は19日にチームパシュート準々決勝、小平は18日に行われる500メートルを控えている。1000メートルで見つかった課題を修正し、うまく次の種目に繋げたい。

 

(文/大木雄貴)