2年目のサウスポー高橋昂也が好投した。11日の紅白戦で、相手を3回無失点に封じたのだ。この好投により18日、沖縄での中日戦の先発が決まった。

 

 高橋昂は「とにかく結果を出したい。自分の力を出し切りたい」と抱負を口にした。

 

 昨シーズン、37年ぶりの連覇を達成しながら、CSでは3位だった横浜DeNAに完敗した。筒香嘉智など左の強打者を迎えながら左のリリーフがいない。最後は“左不足”に泣いた。

 

 そこで調べてみると昨シーズン、カープの左のリリーフ陣は1勝どころか1セーブも記録することができなかった。左の中継ぎの重要性が指摘される昨今、カープはそれに逆行している。

 

 もっとも、「左とはいっても力がないピッチャーを、わざわざブルペンに置く必要はない」との声もある。否定はしないが、試合の中盤から後半にかけて切れるカードは一枚でも多い方がいい。いないのなら育てるしかない。

 

 高橋昂は将来的には先発タイプだが、リリーフで経験を積ませるという手もある。ウエスタンリーグでの成績とはいえ、昨シーズンは7試合に登板し2勝0敗、防御率1.29という素晴らしい数字を残した。

 

 28イニングで27奪三振。最速152キロのストレートに加え、スライダー、フォークなど変化球がいい。ここ一番で三振がとれるのは、サウスポーの最大の魅力だ。やや腰高のイメージがはあるが、その分、ボールに角度が付きやすい。カープにとっては待望久しい本格派のサウスポーだ。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


◎バックナンバーはこちらから