25日、韓国・平昌で行われていた第23回冬季オリンピック競技大会が閉幕した。日本は13個のメダル(金4、銀5、銅4)を獲得。1大会における獲得メダル総数で歴代最多の1998年長野五輪(10個)を上回った。次回は中国・北京で開催される。

 

 日本選手団の大活躍だった。4年前のソチ五輪は計8個(金1、銀4、銅3)のメダル。国外における冬季オリンピック最多だったが、今回JOC(日本オリンピック委員会)はそれを上回る複数の金メダルを含む9個のメダル獲得を目標に掲げていた。大会直前に伊東秀仁総監督は「ソチ五輪は雪の競技が7個で氷が1個だった。今度こそは氷が雪に恩返しする。雪の方もメダルを狙える。雪と氷の集大成。自国開催のつもりでメダルを狙っていきたい」と述べていた。

 

 伊東総監督の言葉通り、“氷”の活躍が目立った。スピードスケートが6個(金3、銀2、銅1)、フィギュアスケートが2個(金1、銀1)、カーリングが1個(銅)と計9個。特にスピードスケートはソチ五輪ゼロからのジャンプアップだ。ナショナルチームを設置し、オランダ人コーチを招聘するなど強化体制を一新したことも要因だと言われている。

 

 個の力が高まったことも大きい。日本選手団主将の小平奈緒(相澤病院)は2個のメダル(500m金、1000m銀)、髙木美帆(日本体育大学助手)は3個(チームパシュート金、1500m銀、1000m銅)、髙木菜那(日本電産サンキョー)が2個(チームパシュート&マススタート金)獲得した。

 

 一方で日本にとっては“初物づくし”のオリンピックだった。モーグル男子、カーリング女子、ジャンプ女子ノーマルヒル、今大会より新種目に採用されたスピードスケート女子マススタートは初めて表彰台に上がった。アイスホッケー女子はオリンピック初白星を含む2勝。20年ぶりの出場となったカーリング男子は準決勝進出こそならなかったが、過去最多の4勝を挙げた。

 

 その他ではフィギュアスケート男子シングルにおける羽生結弦(ANA)、宇野昌磨(トヨタ自動車)のワンツーフィニッシュは同種目初。羽生による個人種目連覇は冬季オリンピックでは史上初である。2大会ぶりのメダルとなったスピードスケート・チームパシュート女子はオリンピック初制覇だ。女子500m(小平)とマススタート(髙木菜那)も同種目初の金メダルを手にした。髙木菜那の2冠達成も日本女子初だった。

 

 他国に目を向ければ、ノルウェーの躍進が際立つ。バンクーバー五輪でアメリカが作った1大会最多記録を更新する39個(金14、銀14、銅11)のメダルを獲得した。“スキー王国”だけあって、スキー種目で量産。中でもクロスカントリーでは7個の金メダルを含む14個のメダルを手にした。ノルウェーに次ぐ国別2位のメダル獲得はドイツ。幅広い競技で実力を発揮し、15競技中9競技で31個(金14、銀10、銅7)ものメダルを掴み取った。

 

 地元・韓国はメダル17個(金5、銀8、銅4)。総数では6位、金メダル数は7位だ。内訳を視ると、ショートトラックで7個(金3、銀1、銅2)とスピードスケートで7個(金1、銀4、銅2)が大半を占める。ただ得意分野だけではなくスケルトンの金メダルをはじめボブスレー、カーリング、スノーボードとこれまで表彰台に上がったことのない競技で結果を残した。

 

 4年後は同じアジアの北京が舞台だ。日本の更なる躍進に期待したい。

 

(文/杉浦泰介)