2018明治安田生命J1リーグの第1節が24日、各地で行われた。味の素スタジアムでのFC東京対浦和レッズは1対1の引き分けに終わった。後半3分にMF東慶悟の得点でFC東京が先制したが、2分後に浦和レッズがDF槙野智章のゴールで追いついた。その他試合では昇格組の名古屋グランパスがガンバ大阪を3対2で破った。23日にはサガン鳥栖とヴィッセル神戸が1対1でドロー。25日はJ1の残り4試合が行われ、J2リーグも開幕する。

 

 途中出場の久保、得点奪えず(味の素スタジアム)

FC東京 1-1 浦和レッズ

【得点】

[F] 東慶悟(48分)

[浦] 槙野智章(50分)

 

 浦和は今季、横浜F・マリノスからMFマルティノスを引き抜いた。対するFC東京は柏レイソルからFWディエゴ・オリベイラを獲得。さらにガンバ大阪で2014年シーズンには3冠を達成した実績のある長谷川健太監督を招聘した。両チームとも、期待の新戦力をスタメンでピッチに送り出した。

 

 序盤からパスを回す浦和、耐えるFC東京の展開だった。浦和がボールを回しながらサイドアタックを仕掛けるがFC東京は守備を固める。両チームを通じての最初のチャンスらしいチャンスは43分だった。浦和のMF柏木陽介のスルーパスにFW興梠慎三が反応し、右足ボレーを放った。これは惜しくもサイドネットに嫌われた。

 

 試合を折り返し、ベンチから選手が出てきた。両チームとも交代はなし。後半もスコアは動かないかと思われたが、キックオフから3分後に得点が生まれた。

 

 先制したのはボールを回され続けたFC東京だった。MF高萩洋次郎のスルーパスに東が抜け出し、浦和の守備陣より先にボールに触れる。倒れながらも右足インサイドでシュートを放つ。ボールはGK西川周作が触れることなくゴール左に吸い込まれた。

 

 このままペースを握りたいFC東京だったが、浦和もそう簡単に引き下がらない。「今回のキャンプではセットプレーの練習を多く行った」と槙野。練習の成果が出たのは失点からわずか2分後だった。左CKをレフティーのMF柏木陽介が鋭いボールをゴール前に入れると、槙野が右足アウトサイドで合わせてすぐさま同点に追いついた。昨年の浦和は先に失点するとチームの士気がガクッと下がっていたが、この日はチームとして成長した姿を見せた。

 

 ここから両チームのベンチワークも活発になる。浦和は新加入のMF武富孝介らを、FC東京は“期待の高校生”FW久保建英らをピッチに送り込んだ。

 

 後半アディショナルタイムには久保にチャンスが訪れた。右サイドでボールを受けるとそのままゴール前まで持ち上がり、ペナルティーエリア手前左サイドにいた東にパスを供給。東がタメを作り、再び久保へリターンを送る。16歳は得意の左足でダイレクトシュートを放ったが惜しくもGK正面。このままドローで試合を終えた。

 

 同点弾を決めた槙野は試合後に、こう語った。

「今シーズンはセットプレーが武器になると思う。失点してからすぐに点を取れました。失点してからのゲーム運びは進歩したと思うし、昨年の課題をうまく改善できていると思います」

 

 一方、ホームチームの長谷川監督は「勝ち点1で残念です。もっと攻撃力を高めて勝ち点3を取れるようにしたいです」と悔しさをにじませた。

 

 昨季7位の浦和と13位のFC東京の対決。どちらも上位に食い込める戦力を有しながら昨季は振るわなかった2チームだ。新戦力がかみ合い、連係面が向上すれば、この2チームが今季のJ1を面白くする可能性は非常に高い。

 

(文/大木雄貴)