12日、平昌パラリンピックの男子スノーボードクロス下肢障害が行われ、成田緑夢(近畿医療専門学校)が3位に入り、銅メダルを獲得した。金メダルはマッティ・スールハマリ(フィンランド)が、銀メダルはキース・ゲーベル(アメリカ)が輝いた。

 

 20人による予選でトップ通過を果たした成田。決勝トーナメント1回戦は地元韓国のキム・ユンホと対戦した。成田は序盤からリードを奪うと、キム・ユンホに影すら踏ませぬ滑り。大きな差をつけ、最後のキッカーでポーズを決める余裕を見せた。準々決勝も圧勝。準決勝へとコマを進めた。

 

 準決勝は予選4位のゲーベルと対戦した。ソチパラリンピックの銅メダリストだ。成田は中盤までリードし、メダル確定も見えていた。ところが、バランスを崩して転倒。その間にゲーベルにかわされた。準決勝で敗れ、決勝進出を逃した。

 

 そしてメダルを懸けて臨んだ3位決定戦。対するエヴァン・ストロング(アメリカ)はソチパラリンピックで同種目を制しており、昨シーズンのW杯総合チャンピオンである。成田がわずかにリードするも競った展開でレースは進む。しかし、ストロングは途中で旗門をクリアできずコースアウト。成田は最後まで滑り切り、この種目日本人初のメダリストとなった。

 

 8歳上の兄・童夢、6歳上の姉・夢露は2006年トリノ五輪にスノーボードハーフパイプに出場。メダルを期待されたが、いずれも表彰台には届かなかった。成田3きょうだいの末っ子が初のパラリンピックでメダルを手にした。

 

(文/杉浦泰介)