14日、平昌パラリンピックの女子アルペンスキー・大回転座位が行われ、村岡桃佳(早稲田大学)が2分26秒53で制した。21歳0カ月での金メダル獲得は、冬季大会の日本人史上最年少である。村岡は滑降での銀、スーパー大回転とスーパー複合での銅に続き、今大会自身4個目のメダル。1大会4メダルは、1998年長野大会の土田和歌子(アイススレッジスピードレース)らに並ぶ日本勢最多タイとなり、日本のアルペン勢としては最多記録を更新した。

 

 銀メダルは2分29秒24のファン・イムペレン(オランダ)。銅メダルはクラウディア・ローシュ(オーストリア)が2分29秒30で手にした。
 
 同種目は10選手が出場し、2本滑った合計タイムで争う。村岡は午前中に行われた1本目で1分13秒47を記録。2位に1秒40差をつけてトップに立つ。リードを奪った村岡は、2本目も果敢に打って出た。レース序盤から積極的に飛ばし、ライバルとのタイム差をさらに広げる。攻める滑りを最後まで維持しながら、ミスを犯すことなくフィニッシュした。1分13秒06と1本目より速いタイムを叩き出し、圧倒的な強さで世界の頂点に上り詰めた。

 

「うれしいというか、いろんな感情が込み上げてよく言い表せない。2位とは1つミスすれば抜かれるタイムだったので、2回目は自分らしく攻めて、笑顔で終われればと思った」と満面の笑みでレースを振り返った村岡。「レース後のセレモニーで真ん中にいるのが、夢見心地な気分」。これまであと一歩届かなかった金メダルを掴み取った達成感に浸った。

 

 大回転の金メダルで、98年長野大会の大日方邦子と並ぶ1大会での“金・銀・銅コンプリート”達成となるなど、まさに記録ずくめの一日だった。残る種目は苦手の回転。「苦手なのが最後なので、複雑な気持ちがあるが、最後の種目も表彰台を目指して頑張りたい」。この勢いに乗って、出場全種目でのメダル獲得に期待がかかる。