(写真:「1年前にコンディションが良かったからといって、W杯本大会の23人に入れるわけではない」と強い口調で語ったハリルホジッチ監督)

 15日、日本サッカー協会は19日(現地時間)からスタートするベルギー遠征の日本代表メンバー26人を発表した。FW中島翔哉(ポルティモネンセ)がA代表に初招集された他、約半年ぶりにFW本田圭佑(パチューカ)が、約1年ぶりにFW宇佐美貴史(デュッセルドルフ)が代表復帰を果たした。日本代表(FIFAランキング55位)はベルギーのリエージュで23日にマリ代表(同67位)と親善試合を行う。27日には海外では初開催のキリンチャレンジカップでウクライナ代表(同35位)と対戦する。

 

 クラブで結果を残しているアタッカーが順当に選出された。

 

 今回のベルギー遠征は35人のW杯予備登録メンバーリストを国際サッカー連盟(FIFA)に提出する5月14日を前にした最後の合宿だ。日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチは「W杯メンバー発表前の最終合宿。時間が経つのは早い」と冒頭に語った。

 

 マリは本番1次リーグの仮想セネガル。ウクライナは仮想ポーランドだ。「うまくマッチメイクできた」と指揮官。内容と結果、どちらも求めたい試合である。

 

 ハリルホジッチは所属クラブでの出場機会をメンバー選考の基準にしている。現在、スペイン2部・レオネサに移籍したMF井手口陽介とブンデスリーガ・シュツットガルト所属のFW浅野拓磨はクラブでレギュラーの座を掴めていない。両選手について指揮官は今回のメンバー発表前にこう語った。

 

「(W杯出場を決めた)オーストラリア戦でヒーローだった2人だが、今回はメンバーに入っていない。この状況が続けば本大会も難しい」

 

 そこで中島が初選出された。サイドアタッカーでの起用が濃厚だ。中島は昨年8月にポルトガルリーグのポルティモネンセに移籍。公式戦26試合に出場し、9得点7アシストとブレークを果たした。ハリルホジッチの中島評はこうだ。

「ドリブラーでこんなに俊敏で爆発的なものを持っている選手は日本にはなかなかいない。攻撃面でなにかをもたらせるんじゃないか」。ポルトガルで暴れるアタッカーがどういう場面で起用されるかにも注目だ。

 

 約半年ぶりの復帰となった本田はメキシコリーグに移籍してコンディションをあげている。今季メキシコリーグ後期11試合で4得点5アシストと活躍。右ウイングのポジションを久保裕也(ヘント)と争うことになる。

 

 本大会の最終メンバーは5月30日に横浜国際競技場で行われるガーナ代表との壮行試合翌日に発表する見通し。W杯のメンバー選びも最終コーナーに差し掛かっている。ロシア行きの切符をかけて、各選手の必死のアピールが続く。

 

【日本代表メンバー】

GK

川島永嗣(FCメス)

東口順昭(ガンバ大阪)

中村航輔(柏レイソル)

DF

長友佑都(ガラタサライ)

槙野智章(浦和レッズ)

森重真人(FC東京)

宇賀神友弥(浦和レッズ)

酒井宏樹(マルセイユ)

車屋紳太郎(川崎フロンターレ)

昌子源(鹿島アントラーズ)

遠藤航(浦和レッズ)

植田直通(鹿島アントラーズ)

MF

長谷部誠(フランクフルト)

山口蛍(セレッソ大阪)

森岡亮太(アンデルレヒト)

柴崎岳(ヘタフェ)

大島僚太(川崎フロンターレ)

三竿健斗(鹿島アントラーズ)

FW

本田圭佑(パチューカ)

小林悠(川崎フロンターレ)

大迫勇也(ケルン)

原口元気(デュッセルドルフ)

宇佐美貴史(デュッセルドルフ)

杉本健勇(セレッソ大阪)

久保裕也(ヘント)

中島翔哉(ポルティモネンセ)

 

(文/写真・大木雄貴)