27日、サッカー日本代表(FIFAランキング55位)はベルギーのリエージュでウクライナ代表(同35位)と親善試合を行い、1対2で敗れた。試合は前半21分、DF植田直通(鹿島アントラーズ)のオウンゴールでウクライナに先制を許した。セットプレーから41分にDF槙野智章(浦和レッズ)がヘディングシュートを決めて追いついたが後半24分、DFオレクサンドル・カラバエフのゴールで勝ち越された。

 

 本田、半年ぶりのスタメンも不発(リエージュ)

日本代表 1-2 ウクライナ代表

【得点】

[日] 槙野智章(41分)

[ウ] オウンゴール(21分)、オレクサンドル・カラバエフ(69分)

 

 日本は4日前のマリとの親善試合からスタメンを8人も入れ替えた。前回の反省を踏まえ、日本は序盤から積極的にプレスをかけた。

 

 5分、高い位置からのプレスが功を奏し、チャンスを迎える。敵陣右サイドでMF柴崎岳(ヘタフェ)がボールを奪い、FW本田圭佑(パチューカ)にスルーパス。本田がタメをつくってエリア内に走り込んだFW原口元気(デュッセルドルフ)にラストパスを供給した。原口は右足を振りぬいたがジャストミートできなかった。

 

 日本は15分過ぎからウクライナにプレスを外されてしまう。相手のセンターバックにプレスをかけても、中盤から下りてきた選手をうまく使われ、プレスが機能しなくなった。

 

 21分、FW杉本健勇(セレッソ大阪)がプレッシャーをかけに行くがラキツキーに左足でミドルを放たれる。DF植田直通(鹿島アントラーズ)が頭でシュートブロックを試みるがボールはゴール右サイドに突き刺さった。守備で後手を踏み、与えたくなかった先制点を献上した。

 

 41分、日本は意地を見せる。相手陣地左サイドでFKを得る。キッカーの柴崎がゴール中央にクロスを送ると、槙野がヘッドで合わせて同点に追いついた。1対1で試合を折り返す。

 

 前半終了間際にゴールネットを揺らした日本。勢いそのままに後半も戦いたかったが、東欧の強豪はそう易々とペースを握らせてくれなかった。24分、コノプリャンカひとりに左サイドを切り裂かれ、ファーサイドにグラウンダーのボールを入れられる。このパスに反応した途中出場のカラバエフに右足でシュートを打たれる。強烈なボールはゴール左隅に突き刺さり、日本は勝ち越しを許した。

 

 その後、日本はセンターバックやボランチの位置でボールを奪えても慌てて縦パスを入れ、すぐにインターセプトをされた。焦りがミスを誘発し、攻撃が噛み合わない。

 

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は34分、流れを変えるためマリ戦で結果を残したFW中島翔哉(ポルティモネンセ)を柴崎に代えてピッチに投入。本職の左サイドハーフではなく、よりゴールに近いトップ下で起用した。

 

 41分、途中出場のFW小林悠(川崎フロンターレ)のポストプレーからペナルティーエリア左でボールを受けた中島が右足を振りぬくが相手DFにブロックされる。こぼれ球を再び中島が拾いシュートを放つが相手GKにセーブされた。試合終了間際にはペナルティーエリア手前でファウルを誘った中島が自ら直接ゴールを狙った。相手GKとの駆け引きであえてGKサイドを狙ったが、阻まれた。

 

 日本が再び同点に追いつくことなく、試合終了。1対2で試合に敗れた。中島をもっと早く出場させていれば、多くのチャンスがつくれただろう。

 

 敗軍の将となったハリルホジッチ監督はこの試合をこう、総括した。

「負けはしたが、マリ戦よりいいゲームができた。2、3回は得点のチャンスがあった。得点につなげられず残念。2つのテストマッチを行ったがたくさんの選手を試せた。W杯の時はよりよい日本代表を見せられる」

 

 5月14日のW杯予備登録35人登録期限前の最後の遠征だった。中島以外、明るい材料はないが、指揮官は誰を選び、誰を外すのか。この2試合を参考に指揮官は戦術を練り直し、メンバーを選出する。

 

(文/大木雄貴)