男子ゴルフ界「第5のメジャー」と称されるPGAツアーのフラッグシップトーナメント「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」が5月10~13日に開催される。

 

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 コースは、PGA本部に近いお馴染みのTPCソーグラス(米フロリダ州)。1982年から37年連続の開催になる。

 著名な設計家ピート・ダイの作品。ツアー指折りの難コースとして知られるが、改修してさらに難易度が高まり、プレーヤー泣かせのコースに仕上がっている。

 

 特にパー3、アイランドグリーン(池に囲まれたグリーン)の17番は“何かが起こるホール”だ。昨年は大会初出場となった池田勇太の最終日、第1打がグリーンを囲む枕木に当たってグリーンに戻るという珍しいシーンが起こっている。最終18番も難所として知られており、最後の2ホールをどう締めくくるかが勝負のポイントとなっている。

 

「第5のメジャー」らしく、賞金総額はメジャーと同等と言える1050万ドル。優勝賞金も189万ドルだ。

 

 昨年の失敗を活かしたい

 

 今年も大きな注目を集めているのが、世界ランキング8位(4月22日現在)の松山英樹である。

 

 今シーズンのメジャー初戦となった先のマスターズは通算3アンダーの19位に終わった。だが2月に左手を痛めた影響もあって、このときはまだチューンアップの段階。最終日に「69」をマークするなど、徐々に調子が上向いていることをうかがわせた。次のメジャー、6月の全米オープンに向けてザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップが重要な大会となることは言うまでもないだろう。

 

 昨年大会の成績は池田とともにイーブンパーの22位タイに終わっている。だが最終日は終盤に追い上げをみせて「69」でまとめた。

 

 松山にとっては、苦い経験もあった。

 3日目の後半16番。2オンを狙って放ったショットは池に。再ドロップの認識を間違ってペナルティーを受け、結局ボギーとなっている。パー3の13番では2度、池に打ち込んで8打を記録。この日は1アンダーの34位からスタートしたが、池に苦しんで4オーバーだった。結局、3オーバーの54位に順位を落としてしまった。この経験を今年に活かしたい。

 

 2度優勝のタイガー・ウッズ

 

 世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(米国)を筆頭に、世界の強豪が参戦するこのザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ。大会の「記憶」と言えば、やはりタイガー・ウッズ(米国)を外すことはできない。

 

 ウッズは2001年に大会初優勝を果たした。

 以前はマスターズ前に開催されており、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップとマスターズを連勝するプレーヤーはいなかった。この年、通算16アンダーで2度目のマスターズ王者となったウッズは、その勢いに乗ったまま連続優勝を果たしたのだ。

 

 そして彼は2013年に、2度目の優勝を成し遂げることになる。

 セルヒオ・ガルシア(スペイン)、デビッド・リングマース(スウェーデン)と通算11アンダーで並び首位で迎えた最終日。14番で痛恨のダブルボギーを叩いたものの、アイランドグリーンの17番、最終18番という難所をパーでまとめる我慢のゴルフで、接戦を制した。ちなみにガルシアは17番で2度、池に打ち込んでスコアを崩している。ウッズにとっては久しぶりのビッグタイトルとなり、ファンの喝さいを浴びた。しかしその後、腰のケガなどもあって復活には至っていない。

 

 アジア勢の連覇に期待

 

 ウッズが2013年大会を制して以降、マルティン・カイマー(ドイツ、2010年全米プロゴルフ選手権、2014年全米オープン優勝)、リッキー・ファウラー(米国、2010年PGAツアー新人賞)、ジェインソン・デイ(米国、2015年全米プロゴルフ選手権優勝)など実力者が制してきた。

 

 そのなかでサプライズとなったのが、昨年の大会だ。

 21歳の韓国の新鋭、キム・シウが2位と3打差をつけてアダム・スコット(オーストラリア)の23歳8カ月を更新して大会最年少記録となる21歳10カ月で優勝した。

 

 4位から最終日をスタートし、“何が起こるか分からない”17番も落ち着いて、きっちりとパー。ウッズの元コーチに師事しており、ウッズが愛したザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップで記録を刻んだのも面白い縁だと言える。

 

 キム・シウに続いて、アジア勢の2連覇というのも松山には期待したいところ。昨年の全米オープンはメジャー自己最高の2位。ここで弾みをつけるためにも、「第5のメジャー」を制しておきたい。

 

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放送スケジュール】(放送はすべてゴルフネットワーク

 

<ザ・プレーヤーズ チャンピオンシップ>

 

1日目前半:5月10日(木)深夜2:00~5:00(生中継)

1日目後半:5月11日(金)11:00~14:00

2日目前半:5月11日(金)深夜2:00~5:00(生中継)

2日目後半:5月12日(土)10:15~13:15

3日目前半:5月12日(土)深夜3:00~5:00(生中継)

3日目後半:5月13日(日)10:00~13:00

最終日前半:5月13日(日)深夜3:00~5:00(生中継)

最終日後半:5月14日(月)20:00~23:00

 

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