(写真:リオ五輪メンバーのほか、ジュニア世代の選手も集まった)

 6日、陸上の日本代表男子リレーチームが東京・味の素ナショナルトレーニングセンター陸上トレーニングセンターで合同練習を行った。土江寛裕オリンピック強化コーチの下、“金メダルプロジェクト”を始動。2020年東京オリンピックでの400mリレー金メダル獲得へ、個々のレベルアップを図る。リレー種目で大会にエントリーし、実戦を積んで鍛える方針だ。

 

 ゴールデンウイーク最終日、晴天に恵まれたグラウンドで和やかなムードで練習は行われた。ジュニア世代の高校生も参加した日本代表リレーチームの合同トレーニング。山縣亮太(セイコーホールディングス)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(日本生命)、ケンブリッジ飛鳥(Nike)のリオデジャネイロオリンピック400mリレー銀メダルメンバーが勢揃いした。

 

(写真:チームの中でもかなり成熟度の高い山縣<白>と飯塚のバトンパス)

「機は熟した」
 日本陸上競技連盟のトラック&フィールド山崎一彦ディレクターは日本代表リレーチームの東京オリンピック金メダルプロジェクトについて語る。昨年の世界選手権(イギリス・ロンドン)でサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大学)が200m入賞。400mリレーは銅メダルを獲得した。桐生が100mの日本記録を更新し、ついに日本人初の9秒台(9秒98)に到達。山縣、飯塚、ケンブリッジらも自己ベストを更新した。

 

 個のレベルアップを実感しながらも、まだまだ走力は世界トップレベルとは言えない。山崎ディレクターは「9秒台が当たり前になって、記録を超えて勝負できるようにならないといけない」と口にする。新たに短距離陣を任されることになった土江オリンピック強化コーチは「個人の強化をそれぞれでやってもらう」と強化方針を話した。

 

(写真:バトンパス練習を走った直後にそれぞれ映像を見て確認した)

 リレーチームとしては実戦中心に“トライ&エラー”で強化を図る。「失敗も大きな経験となる」(土江オリンピック強化コーチ)。日本の武器であるバトンパスは、この日の練習でも息の合った様子を見せた。土江オリンピック強化コーチが「これだけの精度。染み込んでいるなと感じました」と述べたように成熟度は高い。

 

 20日のセイコーゴールデングランプリ(大阪)は400mリレーに2チームをエントリー。そのうちの1チームをリオオリンピックメンバーで臨む。7月にロンドンで行われるダイヤモンドリーグにはアジア競技大会(8月、インドネシア・ジャカルタ)の日本代表メンバーで挑む予定だ。

 

(文・写真/杉浦泰介)