27日(日本時間)、UEFAチャンピオンズリーグの決勝、レアル・マドリード(スペイン)対リバプール(イングランド)がウクライナ・キエフで行われ、3対1でレアルが3連覇を達成した。試合は後半6分にFWカリム・ベンゼマのゴールでレアルが先制するが、リバプールも10分にFWサディオ・マネのゴールで追いついた。しかしレアルは途中出場のFWギャレス・ベイルが19分、38分と2ゴールを決めてヨーロッパ王者に輝いた。

 

 得点王は大会15ゴールのC・ロナウド(キエフ)

レアル・マドリード 31 リバプール

【得点】

[レ] カリム・ベンゼマ(51分)、ギャレス・ベイル(64分、83分)

[リ] サディオ・マネ(55分)

 

 レアルが史上初の3連覇を達成するか、リバプールが13年ぶりにヨーロッパ王者に輝くか。

 

 まずは両チームのFWにチャンスが訪れる。レアルは15分、右サイドを抜け出したFWクリスティアーノ・ロナウドがペナルティーエリアに侵入し、右足でニアハイを狙うがゴールを逸れた。一方、リバプールは23分、マネが左サイドを突破し、クロスを上げる。FWロベルト・フェルミーノが右足でシュートを放つもののDFにブロックされた。跳ね返りをDFトレント・アーノルドが右足でシュートを放つがGKケイラー・ナバスにセーブされた。

 

 31分、リバプールがアクシデントに見舞われる。3トップの一角を担い、今大会10得点をあげているFWモハメド・サラーが左肩の負傷で交代を余儀なくされた。その6分後。レアルの右サイドバックのダニエル・カルバハルも大きな接触はない場面で負傷し、ベンチに退いた。

 

 大事な3枚の交代枠のうち1枚を前半のうちにアクシデントで使わざるを得なくなった両チーム。スコアレスで試合を折り返した。

 

 ゲームは意外な形で動く。後半6分、ボールをキャッチしたリバプールの守護神ロリス・カリウスがスローインで味方に繋ごうとしたが、投げたボールにレアルのベンゼマが反応。右足アウトサイドで触ったボールはコロコロと転がり、ネットを揺らしレアルが先制した。

 

 しかし、4分後にリバプールが右コーナーキックからマネが押し込んで同点に追いつく。すると16分、名将ジネディーヌ・ジダンが動く。MFイスコに代えてベイルを投入。この采配が的中する。

 

 出場から3分後、驚愕のゴールが生まれた。DFマルセロが左サイドからクロスを供給。このボールにペナルティーエリア中央で待ち構えていたベイルがオーバーヘッドで合わせる。シュートはゴール右に決まりレアルが勝ち越した。滞空時間の長いオーバーヘッドでベイルは身体能力の高さを見せつけた。

 

 25分にはマネの左足ミドルがポストに嫌われるなど、リバプールはツキにも見放された。するとベイルがまたしても仕事をする。38分、右サイドでボールを受けたベイルが左足でロングシュートを放つ。無回転で軌道が読みにくい強烈なシュートはGKの手をはじき見事ゴール。リードを2点に広げたレアルは、リバプールのプレスを巧みなパスワークでいなしタイムアップ。ベイルの活躍でレアルが通算13度目のヨーロッパ王者に輝いた。

 

 まさに世界最高峰の戦いだった。ベイルが短い時間でチームを救うスーパーゴールを2発も決めてみせた。2013年に高額な移籍金でレアルに加入したが度重なる怪我に悩まされた。移籍も噂されるが、どこのチームになろうとも来季こそフルスロットルのベイルを見たい。

 

(文/大木雄貴)