(写真:左から 新主将・玉木里奈、小泉紗季、山下花凜、松山絵未那、山内絵里加)

 初夏を迎えてダイキ弓道部、ボート部ともに2018年シーズンの活動を本格的にスタートした。


 弓道部は5月から新体制となり玉木里奈が新主将に就任。山下花凜、山内絵里加に新人の小泉紗季、松山絵未那を加えた5人体制で新たなスタートを切った。大型連休中に開催された伝統のある第67回住吉大社遠的大会(5月1日)には一般女子団体と個人に出場。一般女子団体で山下、山内、玉木の愛媛県チームが準優勝を飾り、個人で玉木が優勝するなど新主将の下、上々の船出である。

 

 弓道部 新主将の意気込み

 新たに主将になった玉木に話を聞いた。まずは昨秋に行われたえひめ国体について振り返ってもらった。山内とともに成年女子県代表として出場した玉木だったが遠的、近的ともに予選敗退を喫したのは苦い思い出だ。

「ダイキ弓道部の地元・愛媛県で開催される国体ということで、今までにないプレッシャーを感じました。これまでの競技生活の中で一度も経験したことのないような大きい重圧でしたね。まったく自分が自分でないようで、いつもの力を出せないまま終わった感じでした」

 

 ただそのプレッシャーを経験したことで成長も感じているという。
「これまで大きな大会になるとプレッシャーとの付き合い方やその処理の仕方がうまくいかない部分がありました。それが、えひめ国体での愛媛県代表としての、県民からの期待感からくる、非常に大きな重圧を経験したことでワンランクアップした気がしています。あれ程大きなプレッシャーを感じる試合というのはこの先もそうそうないでしょうから、とてもいい経験だったと思っています。今は自分の気持ちを制御して、いかに平常心を保ち続けるかが課題です。欲が出ると失敗するのでその辺りにも注意していきたいです」

 

(写真:住吉大会一般女子団体で準優勝を飾った)

 主将としての意気込みを聞くと、玉木はこう語った。
「弓道部全員で切磋琢磨していけたらいいと考えています。弓道というのは団体競技でもありますが、個々の集合体です。主将になったことで私は自分だけでなく部全体の成長も考える役目が増えました。普段の練習から自分のことだけでなく他の部員や周りをよく見ておくように心がけています。普段から個々を把握していないと足りないところが何なのかも分かりませんから。そして、自分たちが鍛えなければならない面をしっかり把握し、部員全員で向き合って克服していきます。そして、個人としてはもちろんですが、全員が成績を残していき、弓道部全体として、今までにないような勢いのあるチームに成長できるよう努めていきます。主将としてまだ実感が湧かない所もありますが、大きく重要な役割を任されたことを誇りに思い、これまでにない成長ができたらいいなと思っています」

 

 弓道部は現在、今秋に行われる福井国体に向け代表選考会を3次まで消化した。「代表に選ばれるのはもちろんのこと、優勝を目指して頑張ります」と意気込む新主将の下、弓道部の躍進に期待したい。

 

 ボート部 東京五輪を目指す

 ボート部の武田大作も今シーズン、好調な滑り出しを見せている。琵琶湖漕艇場で行われた第71回朝日レガッタ(5月3~6日)で準優勝、戸田ボートコースで行われた第40回全日本軽量級選手権(5月17~20日)男子シングルスカルでも準優勝を飾った。

 

 武田は昨秋、えひめ国体で成年男子ダブルスカルに出場したが、足の負傷の影響で準決勝止まり。この地元国体の敗戦が今季の好調につながっていると語った。
「えひめ国体はこれまでの競技人生で一番失敗した大会でした。左足の負傷で本調子ではなく、まったく力を発揮できなかった。国体後に"このリベンジをしないと選手を辞められない"と、闘志に火がついたんです。
 専属のトレーナーをつけて、トレーニング方法やメニューも変更しました。新しい視点から見てもらうことで、トレーニングの幅が広がっています。ロンドン五輪の後からヒザに痛みが出るようになって、これまでは痛みが出たらテーピングなどで対処していました。でも今年からは痛みが出ないようにするために内転筋のトレーニングを導入。その結果、痛みが出ることはなくなりました。去年のコンディションに比べると80%くらいまで仕上がってきているのを実感していて、秋の国体(福井県開催)と全日本選手権をターゲットにして、このまま順調にトレーニングを続けていきたいです。さらにその先、2年半後には東京五輪もあります。そこに向けてやってみたいという気持ちもあり、体から変えていこうと今、取り組んでいる最中です」

 

 現在、44歳の武田だが2020東京を目指すと語ったように、まだまだ現役引退は考えていない。全日本軽量級では優勝した大元英照と競り合うことで、今の自分の状態とレベルを把握したという。
「フィニッシュでは10秒近い差があった。まだまだ大元選手には届いていないけれど、課題も見えて収穫のある大会でした。心拍数がなかなか上がらず、レース前半にタイムを出せてないので、その辺りを克服していきたい。地元の国体で有終の美というのもカッコ良かったんでしょうが、でもまだまだ現役を続けますよ。地元国体のプレッシャーもすごかったし、準備やイベントなど2足どころか3足、4足のワラジを履いていました。今年は選手に専念できるので、秋にはいい報告ができることを期待していてください」

 

 再びオリンピックの舞台へ--。新たな目標を掲げた武田の挑戦をこれからも見守っていきたい。


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