(写真:試合前には選手たちと記念撮影を行った)

「伊予銀行サンクスデー」は5月20日の開催で13年目を迎えた。愛媛・ニンジニアスタジアムで行われたサッカーの明治安田生命J2リーグ第15節。愛媛FCの対戦相手は、元日本代表の田中マルクス闘莉王を擁する京都サンガF.C.だ。

 

 

 昨季15位に終わった愛媛FCは今季、就任2年目の間瀬秀一監督体制でスタートした。しかし2月25日の開幕戦(ツエーゲン金沢)から4連敗。この試合まで、4つの引き分けを挟んで3連敗中だった。4月1日の第7節(ファジアーノ岡山)以来、1カ月半以上もの間、白星から遠ざかっており、5月15日には間瀬監督が成績不振で解任。U-18監督の川井健太氏が新監督に就任する非常事態だった。一方の京都も新たな指揮官の下、再出発を図ろうとしていた。

 

(写真:入場者にオリジナル応援フラッグを配布した)

 伊予銀行は動員アップに少しでも寄与すべく、サンクスデー1週間前には今年のマッチシティー伊予市内の郡中支店で愛媛FCのTシャツを着用して営業。その他にもチラシを作成し、窓口を中心に配布した。試合のPRに励んだ。

 

 当日はバックスタンドに伊予銀行特製のジャンボユニホームを掲げるなど、スタジアムの雰囲気作りも手伝った。伊予銀行のマスコットキャラクター・とりカエルが愛媛FCのTシャツを着用し、イベント広場で来場者との写真撮影などで盛り上げた。

 

(写真:とりカエル<右>をはじめ、マスコットたちが盛り上げた)

 スタジアムの各ゲートでは来場者に例年同様、先着2000名にプレゼントが配布された。今年は愛媛FC応援用のオリジナルフラッグ。デザインは愛媛FCの今季のスローガン「反攻追撃」が記され。チームマスコットのオ~レ君、たま媛ちゃん、伊予柑太に加え、とりカエルのイラストも描かれている。サンクスデー後も使える応援グッズである。

 

 またキックオフ前のスタジアムで、U-10伊予銀行カップ愛媛FCサッカー大会を開催。愛媛県内の10歳以下を対象にした。この年齢設定は普段、出場機会の少ない低中学年にも試合を経験させる狙いがある。参加賞、優勝チームに景品を授与し、盛況だった。

 

(写真:シカゴプードルはボーカル&ピアノ、ベース、ドラムの3人編成)

 試合開始前の芝生広場とピッチでは伊予銀行のCMソング『ツナグモノ』を歌う3人編成のバンドChicagoPoodle(シカゴプードル)がミニライブを行った。来場者も一緒に歌えるよう、『ツナグモノ』の歌詞カードを入場口で配布。芝生広場には人だかりができていたという。シカゴプードルのメンバーはハーフタイムにはスタンドへボールを投げ入れ、30名にグッズをプレゼントした。

 

 試合は日曜日の17時キックオフ。サンクスデーには伊予銀行からも行員と、その家族が昨年に続き約1300名参加した。ニンジアスタジアムには3741人が詰め掛けた。チームの成績が低迷する中で、今季最多の動員である。試合前には第13節(栃木SC戦)でJ2通算300試合出場を達成したFW河原和寿が表彰され、大きな拍手がスタンドから送られた。

 

 20位の愛媛FC、最下位の京都。“裏天王山”の様相を呈した試合は、両チームが勝ち点3を目指し、凌ぎを削り合った。前半はスコアレスに終わったが、後半に試合は動いた。7分、セットプレーのこぼれ球を京都に拾われ、先制を許した。勢いに乗る京都にパスから崩され、最後は左からのクロスにうまく合わせられた。

 

(写真:伊予銀行の大岩頭取によるキックイン)

 0-2と厳しい状況に追い込まれたが、愛媛FCイレブンも今季ホーム初白星をサポーターたちに届けるため、粘りを見せる。32分、右サイドのMF小池純輝のクロスを途中出場のFW有田光希がヘディングでゴールネット揺らした。1点差に詰め寄ったものの、同点ゴールを奪うまでにはいたらなかった。

 

 惜しくも敗れたサンクスデーの翌週はアウェイで東京ヴェルディに引き分けた。チームはなかなか上昇気流に乗れずにいる。2勝5分け9敗で21位。降格圏にいる。なんとか浮上のきっかけを見出だしたいところだ。

 

(写真:未来のJリーガーたちがピッチで躍動していた)

 伊予銀行は今後もチームへのサポートを惜しまないつもりだ。地域のスポーツにおいては、昨シーズンに続き男子プロバスケットボールリーグの「B.LEAGUE」の愛媛オレンジバイキングス(B2)をオフィシャルクラブパートナーとしてサポートしている。

 

 愛媛FCと共に1部昇格を目指すクラブ。コラボイベントなどを通じて、両クラブを盛り上げることができればと伊予銀行も考えている。これからもスローガンである「Challenge & Smile」の姿勢はブレないつもりだ。

 

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