2月1日からスタートするラグビー・トップリーグのプレーオフトーナメントに出場する4チームの指揮官が22日、都内の日本ラグビー協会に集結して会見を行った。プレーオフに進出したのは、パナソニックワイルドナイツ(リーグ戦1位)、サントリーサンゴリアス(同2位)、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同3位)、東芝ブレイブルーパス(同4位)と昨季と同じ顔ぶれ。史上2チーム目の3連覇を目指すサントリーの大久保直弥監督は「他の3チームも自分たちのラグビースタイルを貫いてくる。僕たちもやってきたものを出し切りたい」と決戦への決意を語った。
(写真:プレーオフに参加する(左から)パナソニック・中嶋監督、東芝・和田監督、神戸製鋼・苑田HC、サントリー・大久保監督)
 11年目を迎えたトップリーグは今季、チーム数が16チームに増え、2プール2ステージ制を採用した。8チームずつ2組によるファーストステージを戦い、その上位同士、下位同士がセカンドステージでリーグ戦を展開。実力が拮抗するチームが順位を競うシステムとなったことで、プレーオフ進出争いは最終節までもつれ込んだ。昨季、リーグ戦、プレーオフを全勝で優勝したサントリーはファーストステージ、セカンドステージで各1敗を喫し、今季は2位通過となり、大久保監督は「システムが変わって、思ったよりハードだった」と振り返る。

 ただ、3連覇へぬかりはない。南アフリカ代表SHのフーリー・デュプレア、オーストラリア代表のFLジョージ・スミスとワールドクラスの選手が名を連ね、日本代表SO小野晃征が試合をコントロールする。CTBニコラス・ライアンはキックも好調で、今季は得点ランキング1位だ。

 準決勝で対戦する神戸製鋼にはファーストステージ、セカンドステージでいずれも勝っている。ただ、神戸製鋼は南アフリカ代表CTBで今季のトライ王ジャック・フーリーを擁し、攻撃力が高い。苑田右二ヘッドコーチは「ダイナミックなおもしろいゲームを見せたい」と打倒・王者へ意気込む。大久保監督は「フーリーは世界トップクラスのアウトサイド。止める方法は難しい。自分たちがボールを持つ時間を多くすることが大切」と相手に主導権を握らせないことをゲームのポイントに挙げた。

 セカンドステージで7戦全勝だったパナソニックは、4年ぶりのV奪還へチーム状態は良好だ。スーパーラグビーでプレーするSH田中史朗、HO堀江翔太も揃って出場予定で、昨季のトライ王に輝いたWTB山田章仁も2年連続で2ケタ(11)トライをあげている。失点も105(セカンドステージ)と他の3チームと比較して極端に少なくスキがない。

 だが、中嶋則文監督は「運よく1位通過できたが、一発勝負は東芝さんも底力を持っている」と対戦相手を警戒する。東芝は上位3チームに敗れて4位に甘んじたものの、いずれも2点差以内の接戦。パナソニックとの対戦に限っていえば、プレーオフを含めて過去10勝8敗とリードしている。昨年のプレーオフも準決勝で激突し、東芝が20−8で勝利した。

 今季のリーグ戦ではパナソニックが連勝したが、東芝の和田賢一監督は「リベンジしたい」と燃えている。指揮官が「キーになる」と語るフロントローには三上正貴、浅原拓真の日本代表の両PRがおり、LO大野均、WTB廣瀬俊朗もエディー・ジャパンの主力だ。さらには新人のSH小川高廣がセカンドステージからスタメンに定着して活躍。パナソニックの中嶋監督が「彼が入って東芝のラグビーが表現できるようになった」と要注意人物にあげるほどに急成長を遂げた。

 昨季と変わらぬ4チームゆえにプレーオフに向けた準備や調整方法は心得ている。ラグビー協会トップリーグ事業部の南隆雄部長は「戦術、技術、最高のものを出していただけると期待している」と激戦を望む。決勝はソチ五輪期間中となるだけに、単なる勝ち負け以上に世間の注目を集めるようなゲームが求められそうだ。

<プレーオフ試合日程> ※場所はすべて秩父宮ラグビー場

・準決勝
2月1日(土)14時〜 パナソニックワイルドナイツ−東芝ブレイブルーパス
2月2日(日)14時〜 サントリーサンゴリアス−神戸製鋼コベルコスティーラーズ

・決勝
2月9日(日)14時〜