グラクソ・スミスクライン株式会社が運営する喘息情報ウェブサイト「Zensoku.jp」にて、当HP編集長・二宮清純がナビゲーターを務める対談シリーズ「二宮清純のゼンソク人間学」が好評配信中です。このシリーズでは幼い頃から喘息に悩まされてきた二宮が、病気を克服して活躍しているスポーツ選手、元選手と対談。喘息をいかに乗り越えるかというテーマで話を進める中で、この病気への理解を深め、患者さんを勇気づけることを目指しています。今回は昨年のデフリンピック、陸上男子400メートルハードルで日本人初の決勝進出(7位入賞)を果たした高田裕士選手と、喘息の専門医で琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)教授の藤田次郎先生との対談を実施。その後編を公開しました!

 当サイトでは対談の一部を特別にご紹介します。
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 リスクは極力排除

二宮: 高田さんが専門にしているのは、400メートルと400メートルハードル。トップ選手は、この距離を無呼吸状態で走り切ります。喘息の症状があると余計に苦しいのでは?
高田: 皆さんにそう言われますが、個人的には長距離を走るほうが痰がからんだり、息苦しくなったりするように感じます。400メートルを無呼吸で一気に走ってしまう分には、喘息の影響が出にくいです。練習でも長い距離を走るより、短い距離を何本も走るほうが体は楽です。

藤田: 長距離走では息苦しくなるのであれば、喘息のコントロール状態を100点満点で表すと、80点くらいではないでしょうか。400メートルでは影響を感じないといっても、状態が100点と80点とでは、当然、競技ではタイムに違いが出てくるはずです。だから、日頃から100点の状態に近づけることが大切なんです。

二宮: 海外遠征も多いでしょうが、環境が変わると喘息の症状は出やすくなります。気をつけていることはありますか。
高田: まず遠征前には休養をとって体を万全な状態にして出発します。滞在先は禁煙ルームをお願いして、乾燥しているところも多いのでバスタブにお湯を張って対策をしています。こまめに水分をとって、のどを湿らせたり、移動中や外出時はマスクを着用するなど、極力リスクを抑えるために、できる限りのことはやっていますね。

二宮: 最近はPM2.5の飛散による喘息への影響も取りざたされています。
藤田: PM2.5はかなり細かい粒子ですから、気管支の奥の方まで入り込んできます。これもアレルギー症状を引き起こす因子となりますから十分な注意が必要です。

二宮: 寒暖の差が大きな季節の変わり目も気をつけなくてはいけないですね。
高田: 呼吸ができず、救急車で運ばれたのも5月頃で季節の変わり目だったので、その時期は気をつけていますね。

藤田: 季節の変わり目は温度差に加え、湿度の違い、花粉の飛散といった、症状を引き起こす因子が増えます。それで前回もお話したように、コップから水があふれるように症状が出てしまいます。だからこそ、いつも以上のケアが重要になります。
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 次回は元プロ野球選手の石井一久さんが2回にわたり、登場します。前編は6月4日に更新予定です。どうぞお楽しみに!
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