グラクソ・スミスクライン株式会社が運営する喘息情報ウェブサイト「Zensoku.jp」にて、当HP編集長・二宮清純がナビゲーターを務める対談シリーズ「二宮清純のゼンソク人間学」が好評配信中です。このシリーズでは幼い頃から喘息に悩まされてきた二宮が、病気を克服して活躍しているスポーツ選手、元選手と対談。喘息をいかに乗り越えるかというテーマで話を進める中で、この病気への理解を深め、患者さんを勇気づけることを目指しています。今回は新体操のフェアリージャパンでロンドン五輪7位入賞を収めた深瀬菜月選手と、喘息の専門医で順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学助教の原田紀宏先生との対談を実施。その前編を公開しました!

 当サイトでは対談の一部を特別にご紹介します。
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 練習を休むほどの症状

二宮: 喘息発症はいつ頃から?
深瀬: 生まれてすぐの頃だそうです。1歳か2歳の時には肺炎を起こして入院したこともあります。

二宮: 喘息と肺炎に関係性はありますか。
原田: 肺炎は細菌感染やウイルス感染によるものが一般的ですが、ウイルス感染やマイコプラズマなどの一部の細菌感染により喘息が悪化することがあります。また逆に、インフルエンザウイルスのように、喘息の存在がウイルス感染を重症化させる可能性もあります。喘息が肺炎を誘発することはありませんが、ウイルス感染が喘息発症の引き金になることはあります。そのほか、喘息と関連する肺炎に好酸球性肺炎という疾患もあり、一口に肺炎といっても原因によって治療法が異なりますので、肺炎が疑われたら医師の診断を仰ぐ必要がありますね。深瀬さんの場合は、感冒(ウイルス感染)から肺炎になり、ウイルス感染が喘息発症の引き金となったのかもしれません。

二宮: ご家族に喘息を発症した人は?
深瀬: 母が喘息です。母の方が症状が重く、今でも吸入薬をよく使っています。

二宮: となると、遺伝的な要素もあったのでしょうか。
原田: 遺伝との関係は完全に証明されているわけではありません。ただ、ご両親に喘息があるときには、発病のリスクが高くなるといわれていますし、アレルギーを起こしやすい因子が受け継がれて、そこに環境の要因が重なって発症する可能性があると考えられています。

二宮: 物心ついた時は、どんな症状でしたか。
深瀬: 小学校の頃は季節の変わり目になると症状が悪くなっていました。ヒューヒューいって、寝られなかったり、新体操の練習もできなかったりするほど、ひどいこともありましたね。そういう場合は休んでいました。中学校になるまではなかなか改善しなかったんです。

二宮: 私も発作が起きると苦しくて寝られませんでした。周囲は「具合が悪いなら寝なさい」と言うのですが、横になる方が呼吸がしにくい……。
原田: 発作を起こしている患者さんにとっては座っている方が呼吸は楽です。親御さんや周囲の方も、そういった知識を持っておくことは大事ですね。

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 後編は11月5日更新です。どうぞお楽しみに。
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