7日、明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第15節が各地で行われた。埼玉スタジアムでは首位の浦和レッズが、17位の清水エスパルスと対戦。勝てば他会場の結果次第で、ファーストステージの優勝が決まる浦和は、後半7分にFW興梠慎三のゴールで先制。最後までこのリードを守り切り、1−0で勝利した。これで浦和は開幕から15戦無敗のJ1リーグ記録を更新し、勝ち点を37に積み上げた。しかし、2位のガンバ大阪が、12位のヴィッセル神戸と0−0で引き分けたため、優勝は次節以降へと持ち越しとなった。1試合消化の少ないG大阪は、勝ち点28で暫定4位に後退。柏レイソルを破ったサンフレッチェ広島が同2位、松本山雅FCを下したFC東京が同3位に浮上した。
 守護神・西川、好守連発でリーグ7試合ぶりの完封(埼玉)
浦和レッズ 1−0 清水エスパルス
【得点】
[浦和] 興梠慎三(52分)

 無敗で首位をひた走る浦和が、ファーストステージ優勝へ向け、また一歩、前進した。

 前半は4試合連続ゴール中のMF武藤雄樹が左サイドからチャンスを作ったものの、MF李忠成が決めきれず無得点。MF石毛秀樹、FW大前元紀らを擁する清水の攻撃陣に攻め込まれる場面も目立つなど、流れは決していいものではなかった。水曜日にリーグ戦のあった浦和に対し、中7日の清水とのコンディションの差が表れたかたちとなった。

 後半7分、中央で興梠が落としたボールを受けたMF柏木陽介が、ペナルティエリア(PA)内に侵入しようとした。一旦は清水守備陣に阻まれ、こぼれたボールが再び興梠も元へ。慌ててプレッシャーをかけてくる相手を冷静に見極め、キックフェイントでマークを1人はがす。すぐに左足を振りぬくと、DF2人の間を通過し、ゴール右隅を突く。興梠のシュートはサイドネットを揺らし、赤く染めたスタジアムが沸いた。

 殊勲のストライカーは「自分だけで決めたゴールでもない。皆がつないでくれて最終的に自分のところに転がってきて決めただけ」と振り返る。今季5ゴール目はホーム埼玉スタジアムでの今季初ゴールとなった。

 待望の先制点を奪った浦和は、その後も清水ゴールに襲い掛かるが追加点をあげられない。すると清水の反撃に遭う。22分、PA内の細かいつなぎから、ゴール前左でシュートを打たれる。ここはDF那須大亮が身を呈してブロック。35分には左サイドから石毛のクロスを、大前にボレーで合わされた。強烈なシュートがゴール左へ。今度はGK西川周作が横っ飛びで弾き出した。

 守備の要の2人が体を張って、ゴールを死守。最後まで清水に得点を許さなかった。このまま1−0でタイムアップとなり、浦和は1カ月ぶりの完封勝利。苦しみながらも勝ち点3を掴み取った。

「予想していた通り、厳しいゲームになった」と、浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は語った。それでも開幕からの無敗記録を15に伸ばし、「負けなしでこれているのは強いチームの証」と胸を張る。終盤に追いつかれたり、逆転負けを喫していた勝ち切れない昨季の浦和とは違う。今季は敗色濃厚な試合でも土壇場で引き分けに持ち込み、内容が悪くても勝ち点を獲得する勝負強さがある。

 7年間無冠の浦和だが、ファーストステージ制覇は目前のところまできた。この日の勝利でG大阪との勝ち点差は9に広がり、次節の神戸戦で引き分け以上ならば、G大阪の結果に関わらず優勝が決まる。11年ぶりの2ステージ制を採用したJ1。“赤い悪魔”は土つかずのまま、トロフィーを掲げられるのか。