北京五輪でのメダル獲得を目指すビーチバレーの佐伯美香選手が、3月3日、横浜市立東品濃小学校の5年2組の「夢の先生」(ユメセン)として教壇に立った。
これは、日本サッカー協会(JFA)が行っている「こころのプロジェクト 夢の教室」の事業で、サッカーをはじめ各スポーツの元日本代表選手や現役の選手が「夢先生」(ユメセン)として小学校に赴き、授業の中でフェアプレー精神や助け合うことの重要性を教えるとともに、夢を持つことの大切さを伝え、子どもたちと交流を深めるというもの。ビーチバレーでは佐伯が初めて。
(写真:ビーチバレーでは初の「ユメセン」となった佐伯選手)
この日の5、6時間目に行われた佐伯選手の「夢の教室」。まず前半は、体育館で実際に体を動かしながらの授業となった。バレーボールの基礎的な動きを、コツをわかりやすく説明しながら指導。さらに、2人組やグループをつくってのパスでは、「大切なのは声を出すことと、思いやりの気持ち。自分が少しでもしんどい思いをして、やさしいボールを返してあげて」などど、言葉をかけていた。

そして後半、教室に場所を移しての「トークの時間」では、佐伯のバレーボール人生を「夢曲線」で描き、小学校5年生でバレーボールを始めた頃の話から、高校時代、実業団時代、またインドアバレーで日本代表入りしたアトランタ五輪、ビーチバレーで4位となったシドニー五輪の話を中心に、その当時の状況やバレーボールへの気持ち、さらには引退を経て北京五輪を目指している現在の思いなどを語った。

 また実業団のユニチカ時代の「サーブがネットを超えないくらいのスランプに陥った」エピソードを披露。「スランプに陥ったときには、バレーボールが好きで始めた頃の初心に戻るようにしている。部活でも何でも、やっているうちに必ず良いときと悪いときがある。悪いときにこそ、あきらめずに頑張ることが大切。そういう時期があったからこそ、今の自分がある」と子どもたちに語った。

 最後は、子どもたちが「夢シート」に現在の夢と、そのためにどうすればいいかを書きこみ、みんなの前で発表した。佐伯は「何げなく毎日を過ごすのではなく、何かに興味を持つことから夢や目標が生まれる。夢や目標がないことも悪いことではないし、その夢は途中で変わることもある。私は目の前のことに一生懸命取り組むことで、オリンピックという目標が見えてきた。今という瞬間はもう戻ってこない。大切に時間を使ってほしい。夢や目標を持って毎日を過ごしてもらいたい」と、夢や目標を持つことの大切さを謳った。さらには「私は北京五輪に絶対に出ます。皆さん、応援してください」と力強く宣言し、子どもたちは拍手でエールを送った。

 授業を終え、囲み取材に応じた佐伯は「試合より緊張した」と苦笑い。「やろうと思ったことの半分もできなかった(笑)」と振り返ったものの、「現役の時にやったからこそ、子どもたちも積極的になってくれたと思う。最後には夢や目標を持つことの大切さを理解してくれたのかな、と。こういう経験ができとても勉強させてもらった。北京五輪を目指す自分にとってもまた新たなモチベーションとなった」と笑顔を見せた。

 さらに北京五輪に向けては「年齢的にも最後の挑戦になると思う。ビーチバレー選手として、オリンピックという大きな舞台が、今の自分にとっての大きな夢。今年は大切な年になるので、しっかり目標を持って頑張っていきたい」と意気込んだ。
大きな夢の実現に向かう勝負のシーズンは始まっている。

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