卓球の世界選手権団体戦(2月24日〜3月2日、中国・広州)の日本選手団記者会見および公式競技ウエア発表がさる1月30日、東京都内で行われた。世界選手権は1年ごとに個人戦・団体戦が行われており、今年は団体戦で日本選手団が世界の強豪に挑む。
 会見には世界ランキング10位(日本人トップ)の福原愛、中学3年生の石川佳純ら男女の代表選手が出席、開催地の広州が「花の街」であることから女子は“桃”のピンク、男子は“菖蒲”の紺色がベースとなった公式ウエアに身を包み、大会での健闘を誓った。

(写真:「世界卓球2008」会見に出席した代表選手ほか)
“進化するジャパンアスリート”をテーマに毎年、進化したナショナルチームウエアを製作し、卓球日本代表をサポートするミズノ。今大会のために発表したウエアは、開催地である広州が、年間を通じて花が咲き誇る街であることにちなみに、女子は「天下無敵」の花言葉を持つ“桃”のピンク、男子は「勝負に勝つ」という願いを込めた“菖蒲”の濃紺のカラーがそれぞれ採用された。
 ウエアの素材には「ストレッチ性と吸汗速乾性に優れ、蒸れやべたつき感を抑えるソロテックスリップ」素材を採用している、また男子ウエアには、ミズノが独自に開発したウエア設計手法「ヴァーチャルボディデザイン」が取り入れられている。これは、トップレベルの卓球選手の動作を3次元測定で解析し、皮膚の伸縮する部分や方向といったさまざまなデータを商品に落し込んだもので、2004年のアテネ五輪から採用されたという。
 商品を担当したスポーツ事業部ラケットマーケティング部の吉村充雄氏は、次のように説明する。
「主にフォアハンドの動きを元に、皮膚の伸びなどを解析しています。卓球選手の場合、肩の部分と臀部が大きく動きますね。肩甲骨のまわりを動きやすくしてすぐ腕が上がるように、脇の後ろにゆとりを持たせたつくりになっています」 
 素材も、以前は綿タッチのものだったが、より軽量で速乾性に優れた生地へと移行している。
「ウエアの生地が変わるときは、今まで使っていたものが一番だと思っていた選手にとっては、違和感もあったと思う。そこで、機能性や商品の良さを伝えて、実際に体感していただいて、選手の皆さんに満足していただけるよう努めています」
 日々トレーニングに励み成長を続ける選手のみならず、選手たちを支えるウエアも、進化を続けているのだ。
「選手から『このウエアで勝ちました』と連絡をもらうこともある。そういうときはやはり嬉しいですね。良い商品をつくりたい、ということは一番ですが、ナショナルチームのオフィシャルウェアを手がけている以上は、やはり勝って欲しいという気持ちは強いですね」と吉村氏。
 続けて、選手たちに次のようにエールを送った。
「今年は北京五輪イヤー。卓球はソウル五輪で採用されてからまだメダルがありませんが、団体戦もあるのでチャンスはあると思います。今回の世界選手権は北京の前哨戦。ぜひメダルをとってもらいたいですね」

 実際に公式ウエアを着用した感想について、福原は「目の引く桃色で、すごくきれい。前回のブレーメンでもピンクと水色だったんですけど、ゲン担ぎの意味と、この色はどこの国ともかぶらないので、ユニフォーム選びがラク。着心地もすごくいい」とすっかり気に入った様子。どんなカラーのウエアが良いかというミズノからの事前のアンケートで、女子選手は皆ピンク色を希望したというエピソードも明かし「みんなの意見が一致してピンクになった。みんな仲良しです(笑)」と、会場の雰囲気を和ませた。全日本選手権男子シングルスで連覇を果たした18歳の水谷隼も「ミズノさんにはいつもすごく良い性能を持ったウエアを提供してもらっている。今回は、デザインも一級品」と絶賛した。

 男女とも若い選手が中心となり勢いを感じさせる日本代表チーム。特に女子は3大会連続で銅メダルを獲得しており、今大会でもメダル獲得の期待がかかる。福原は「日本の団結力は世界一だと思っています。みんなで力を合わせて前回以上の成績を狙っていきたい」と力強く宣言した。
 北京五輪の前哨戦に挑む日本代表チームの活躍に期待したい。

(このコーナーでは北京五輪に向けたミズノの取り組みと、子どもたちへの普及、育成活動を随時レポートします)
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