今夏に開催される北京五輪で日本選手団が表彰式や記者会見などで着用するオフィシャルウエアの発表会見が1月15日、都内で行われた。発表されたアイテムは、ウォームアップスーツ、ウインドブレーカーのほか、シューズ、バッグなどを含み、JOCオフィシャルパートナーとなっているミズノ、アシックス、デサントの国内のスポーツ用品メーカー3社によって製作、提供される。

(写真:北京五輪のオフィシャルウエアに身を包んだ陸上短距離の末續選手(左)と競泳背泳ぎの寺川選手)
 ミズノでは、ウォームアップスーツ、ポロシャツ、キャップ、ソックス、シューズの5アイテムの製作、提供を担当。これらは、表彰式などオフィシャルの場で選手たちが着用するものだ。
「日本を応援 〜日の丸を背負う選手たちを応援〜」というコンセプトのとおり、5アイテムともにカラーは日の丸をベースにした赤色と白色、さらに「栄光の証」を表す金色を差し色に使用している。
(写真:どのアイテムも細部までこだわって製作されている)
「JAPAN」のロゴが目を引くウォーミングアップスーツは、選手の燃え上がる闘志を“炎”のグラデーションとして表現。また、肩口から腹部までのアーチラインは、勝利に向かって上昇していく日本代表チームをイメージしている。
 北京五輪は真夏の開催となるため、選手が快適に過ごせるようにと細部までこだわって製作された。
「やはり重視するのは『動きやすさ』。機能コンセプトは『ストレスフリー設計』です。ミズノ独自の動的機能裁『D.F.CUT』を採用し、運動時の圧迫感、ウエアのひきつれなどを軽減しています。
 また、北京の1年間の気温を調べてみたら、8月の最高気温は30度、最低気温は20度。7月の東京と同じような感じくらいの暑さですから、生地は主に吸湿素材の『ドライベクター』、脇は通気性と動きやすさを考慮した素材ストレッチメッシュを使っています」(アスレティック事業部マーケティング部次長・恩地俊行さん)
 ウエア製作にあたっては06年1月の打合せに始まり、完成したのは07年4月だという。「やはり我々が手がけたものを身につけた選手たちが活躍する姿を見るときは嬉しいですね。北京でも、ぜひ表彰台の一番高いところに立ってほしいと思います」。そう恩地さんは語る。

(写真:多くの人間の努力と苦労が集結され完成したシューズ)
 ウエアとのトータルのコーディネートの考慮により赤を基調としたシューズにも、ミズノの技術がつぎこまれている。
 アスレティック事業部マーケティング部ランニングシューズ企画課・神野元宏さんは「日本を代表するトップアスリートが履くシューズですので、ミズノとしても最高のものをサプライしよう、と。より快適性を追求した最高の機能のモデルをベースに製作しています。車にたとえると『クラウン』や『レクサスLS』のようなシューズですね」と説明する。
 ミズノが独自に開発した波型プレート「ミズノウェーブ」(※)の進化形「インフィニティウェーブ」をソ−ル部分に採用しているこのシューズは、横から見ると、ぽっかりと穴が空いている構造が目を引く。
 これは、従来の『ミズノウェーブ』からスポンジを極限まで減らし、2枚の波型プレートにしたことで構成することでクッション性をさらに高めたもの。
「スポンジ素材を使わずにクッション性を出したことで、ソールのへたりを大幅に軽減することにも成功しました。このほか、動きの中でもより高いフィット感を感じることができる機能なども取り入れています」と神野さん。
 このベースとなるシューズは2007年12月に市場デビューしたばかり。神野さんは続ける。「この形の構想自体は、従来のスポンジではさんだタイプが出てきた10年以上前からあったんです。構造的に今までにないかたちなので、それこそトライ&エラーの繰り返し、試行錯誤でここまでたどりついた。試作したシューズは数えきれないですね。最終段階のこのタイプのシューズだけでも、何回も作り直していますから。ミズノでシューズに携わっている多くの人間が苦労して取り組んできたものが、このシューズに集約されている。表彰台にのぼれると思うと、やはり感慨はありますね」。

 発表会見ではミズノ社員でもある陸上短距離の末續慎吾と競泳背泳ぎの寺川綾が、実際にこれらのアイテムを着用して登場した。
 3大会連続の五輪出場を狙う末續は、公式ウエアを身につけたことで「もう代表気分」と笑顔を見せ「どんどん(着心地が)軽くなっているのを感じます。北京は暑いと聞いているので涼しくて良い。赤と白というのも日本らしい。個人的にも赤が好きなので、もう燃えてます」と語った。
 激戦区・競泳背泳ぎで代表入りを目指す寺川は「軽くて通気性も良いですね」と感想を語り「代表選考会でしっかり良い結果を出して、北京でぜひこのジャージを着て胸を張って戦いたい」と表情を引き締めた。
(写真:ミズノ社員でもある末續選手(左)、寺川選手)

 多くの人の手と時間、さらには関わったすべての人たちによる選手への思いが結集しているこのユニフォームの胸に栄光のメダルが輝く日が待ち遠しい。

 ※「ミズノウェーブ」は、クッション性と安定性を両立させ、さらに横ずれ抵抗性を高めるためにミズノが開発したあらゆる種目のシューズに搭載している機能。97年12月より展開。


 地元の監督、保護者からも大好評! 〜ミズノビクトリークリニック〜

 スポーツ振興活動の一環としてミズノ株式会社が行なっている「ミズノビクトリークリニック」。11月23日には山形県酒田市かんぽすわんドームで野球クリニックが開催され、元プロ野球選手の与田剛氏と秦真司氏が講師を務めた。両氏とも現役時代からグラブやバット、スパイクなどミズノ製の用具を愛用し、レベルの高いパフォーマンスを披露してきた。その2人から直接指導を受けられるとあって、子どもたちの目は真剣そのものだ。外はみぞれが降りしきる真冬日だったにもかかわらず、ドームの中は与田、秦両氏と子どもたちの熱気に溢れていた――。
(写真:与田氏の言葉に熱心に耳を傾ける子どもたち)

「ミズノビクトリークリニック」が酒田市で開催されたのは一昨年に続いて2回目だ。酒田市少年野球の中枢を担っている佐藤勝酒田地区野球スポーツ少年団会長は、クリニック開催の意義についてこう語る。

「昨年、初めてミズノさんと共催で行なったのですが、子どもたちはもちろんチームの監督や保護者からも『きちんとした体の使い方を一人ひとり丁寧に教えてもらってよかった』と大好評でした。
 子どもたちはこういう野球教室で遊びから競技としての野球を覚えていくんです。ですから、酒田のような地方にも立派な指導者を派遣していただけるというのは、私たちにとって非常にありがたいことなんです」

(写真:子どもたちにとっては貴重な体験となった)
 現在、酒田市には軟式の少年野球チームが25ある。2007年度の登録者は総勢660人とこれまでで最も多い数字となった。少子化が進む中、酒田市の野球人口は確実に増えているのだ。ミズノが開催する野球クリニックもこうした状況を生み出す原動力の一つなっているのだろう。

「秦先生に外野でボールを追いかけるときのスタートの仕方を教えてもらった」
「与田先生に教えてもらって、ピッチングの時の体重移動がスムーズにできるようになった」
 感想を求められると、指導してもらった内容を嬉しそうに語る子どもたち。また普段子どもたちを指導している少年野球チームの監督やコーチ、そして傍らで子どもたちを見守る保護者からは「言葉がわかりやすく、丁寧に指導してくれる」という声がしきりに上がっていた。今年の冬もまた、開催が予定されているという。

 礼儀やあいさつ、粘り強さ、他人への優しさ、集団行動の大事さ……スポーツ活動を通して子どもたちは様々なことを学び、そして夢を育んでいく。スポーツ振興はもちろん、ミズノの草の根活動は、未来ある子どもたちの成長にも寄与している。


 北京五輪日本代表選手団オフィシャルスポーツウエア・シューズのレプリカ商品発売!

 日本を応援 〜日の丸を背負う選手達を応援〜
 ミズノは第29回オリンピック競技大会(中華人民共和国・北京:2008年8月8日〜8月24日)に出場する日本代表選手団が使用するオフィシャルスポーツウエア・シューズのレプリカ商品を2月1日から全国のミズノ品取り扱い店で発売します。

 なお、これらのオフィシャルスポーツウエアなどは、日本代表選手が表彰台に上がる際に着用します。ミズノでは過去、日本代表選手が大活躍した長野冬季オリンピック(1998年)の表彰台で着用されたオフィシャルウエアのレプリカ商品も販売し、大変注目されました。

>>価格等の詳細はMIZUNOの公式サイトへ

(このコーナーでは北京五輪に向けたミズノの取り組みと、子どもたちへの普及、育成活動を随時レポートします)
◎バックナンバーはこちらから