季節はずれの豪雨が降りしきる中、レースは始まった。13番枠から好スタートから切った6番人気のドリームハッチは3番手につける。泥のかぶらない好ポジションを得て、抜群の手応えで4コーナーを回り直線を向く。ゴールまで残り200メートル。内をすくって伸びてきたのは1番人気のシーフォーアイだ。本命馬に一度交わされかけたドリームハッチは騎手の激しいアクションに応えて、シーフォーアイを差し返す。激しい叩きあいの末、ドリームハッチのハナが前に出たところがゴール。4月25日、東京競馬場第7レース。見事な勝負根性をみせたドリームハッチの鞍上にいたのは鷹野宏史。この勝利が鷹野にとって、中央競馬で4つ目の勝利となった。
愛媛時代、菅沼の印象に残っている試合がある。それが古巣・柏とのゲームだった。愛媛のオレンジのユニホームを身にまとい、初めて日立台のピッチに立つと、少し不思議な感覚がした。「試合になったら関係ないと思っていましたけど、やっぱり、みんな知った選手ばかりですからね」。柏の熱いサポーターからはブーイングを浴びせられると思っていたが、思いのほか、温かく迎えられた。「ブーイングもされないような選手なんだと、少し悔しかったですね」
「思い切りがいい。いいパフォーマンスをしていました。彼の持っている武器が出てくればと思っていました」
愛媛FC・望月一仁監督がJ2で戦うにあたり、真っ先に獲得に乗り出した選手――それが菅沼だった。望月にはユース時代の菅沼のプレーが鮮烈な印象として残っていたのだ。
菅沼は4歳からサッカーを始めた。「小学校の時からトップ下が多かったですね。中盤より前。今とほとんど変わりません」。点を獲ることが何より好きだった少年は、柏ジュニアユース、ユースとカテゴリーを上げるに従ってメキメキと力をつけた。ユースの1年目には早くもトップチームの練習に呼ばれるレベルになっていた。
今年のJリーグ開幕戦(3月7日)、川崎フロンターレ対柏レイソル。両クラブ無得点で迎えた後半5分、柏はカウンター攻撃でチャンスを迎える。一度はクリアされたものの、セカンドボールを拾ったFWポポが右サイド奥深くから、絶妙なクロスを上げる。ニアの位置からゴール前に飛び込んだのは背番号15、菅沼実だった。






