「オリンピック代表の監督はあくまでも反町(康治=前新潟監督)で、スーパーバイザー、総監督的な立場でオシムが……。あっ、言っちゃった」
ドイツからの帰国記者会見の席で、日本サッカー協会・川淵三郎キャプテン(会長)はポロリと次期代表監督の名前を口にしてしまった。
「中盤からも前からも選手が返ってくる。後ろだけで守り切れるわけじゃありませんから。その意味では誰というわけじゃなく、全員の守備の勝利ですよ」
試合後、表情を緩めることなく、秋田豊は言った。
20世紀最後のJリーグチャンピオンシップは鹿島アントラーズが制した。
横浜F・マリノスを相手に初戦0対0のスコアレスドロー。続く第2戦は3対0の完勝。アントラーズの鉄壁の守備網は最後まで崩れなかった。
今やかの 三つのベースに人満ちて そゞろに胸のうちさわぐかな
四国で初めてのオールスターゲーム。
四国霊場八十八カ所の五十一番札所・石手寺周辺を潤す石手川にかかる橋を渡ったあたりから、球場に向かう人々は足早になる。
目の前には「坊っちゃんスタジアム」。言うまでもなく、松山を舞台にした夏目漱石の小説『坊っちゃん』にちなんで名づけられたものや。
久方の アメリカ人のはじめにし ベースボールは 見れど飽かぬかも
こんな摩訶不思議なアトラクション、ワシは生まれて初めてみたぞな、もし。
市長の中村時広ハンがマウンドに上がったのはええけど、いったい、なんぼ投げたんやろう……。7球? 8球? 演説する時よりも、よっぽど生き生きとしとったがな。
「ウ〜ン、日本に帰ってきてビデオを見ると、足とか全然上がってないんですよ。キレは全然よくないんですけど、最後の決めでどうにか一本をとったって感じですね。
やっぱり年齢は感じますよ。スタミナは確実になくなっているし、それを気持ちでどれだけカバーできるか。逆に気持ちさえ充実していれば、スタミナをカバーすることができる……」
今年10月、イギリスのバーミンガムで行われた柔道の世界選手権・81キロ級に出場した吉田秀彦は、決勝でモルドバのフロレスクを破り、この大会、初めての優勝を飾った。
しかも一本勝ち。伝家の宝刀内股の切れ味は、少しも錆びついていなかった。






